康安殿から尋問場に戻ってきたヨンは、
ユン・ジモンの前に何も言わずに立った。
ユン・ジモンは、項垂れた視線の先に
現れた足からゆっくりと視線をあげる。
「上護軍・・・様・・・
フ・・・どうやら、全てお分かりになられたようで・・・
そうです・・・
此度の謀は、全て、私の私欲からのこと・・・
私は私欲に負け、
奥方様かユリ様を
元に引き渡そうとしていたのです。
高麗を裏切り・・・
貴方様や奥方様の信頼を裏切った私です・・・
どうぞ、気のすむように
罰をお与えくださるよう、
王様にご進言ください・・・」
ユン・ジモンは、すべてが終わったような
顔で、ヨンに告げた。
『ユン・ジモン・・・
それで良いのか?
高麗を、王様の信頼を裏切り
俺たち夫婦の信頼も裏切った・・・
たしかに、それは、赦されまじきこと・・・
だが・・・
お前は、己の想いを叶えることもできず・・・
されど、忘れることも出来なかった。
だから、影ながら見守りつづけたのではないのか?
今、この場で、命を落とすようなことがあれば
誰がその者を護るのだ?』
ヨンは、ユン・ジモンの目を真っ直ぐにみて言った。
「それは・・・
しかし・・・
もう手遅れです・・・
今日、奥方様か、ユリ様を
お連れできなかった・・・
もう・・・あの人は・・・うぅ・・・」
ユン・ジモンは、堪えきれず涙を流す。
『まだ・・・
諦めるのは、早いのではないか?
恐らく、チェ家への襲撃については
すでに、アン・ヨンジン殿の耳に入っているだろう。
お前が、迂達赤に捕らえられたこともな・・・
しかし・・・
お前が、全てを話し
事の真相を明らかにすれば
アン・ヨンジンを捕らえ、護りたい人を護れるのではないか?』
ヨンは、ユン・ジモンの心が揺れていると感じた。
そして、アン・ヨンジンの企みを聞き出そうとした。
「上護軍・・・様・・・」
ユン・ジモンは、ヨンの顔を見上げると
悲しみを湛えた瞳で、首を横に振った。
「アン・ヨンジンの耳に入ったとなれば・・・
あの人の命は・・・風前の灯・・・
恐らく・・・すでにもう・・・」
ユン・ジモンは、諦めの言葉を口にした。
その時、ユン・ジモンと共に捕らえられた男が
叫ぶように訴えてきた。
「上護軍様!
どうか、どうか、お助け下さい。
ユン・ジモン様は・・・
このような企みを
自らのご意志でなさるお方ではありません。」
ヨンは、男に視線を向けると
静かな声で告げた。
『そのようなこと、百も承知のこと・・・
それ故、全てを明るみにするよう言っている。
何故、話さぬ?
ユン・ソンヨン殿以外にも
何か弱みを握られているのか?』
「そ・それは・・・」
ユン・ジモンは、何も言わずに俯いてしまった。
「じつは・・・
ユン・ソンヨン様とユン・ジモン様は・・・
夫婦の契りを交わした仲・・・
しかし・・・
大旦那様の反対に遭われ・・・
二人の仲は、引き裂かれ・・・
ソンヨン様は、アン・ヨンジン様の側室に・・・
されど・・・すでにその時・・・
ソンヨン様は、ジモン様のお子を・・・」
『何?
では、元に輿入れされたご息女は・・・』
「さようでございます。
アン・ヨンジン様のお子ではなく
ユン・ジモン様のお嬢様でございます・・・」
ユン・ジモンの代わりに
共に捕らえられた男が、ある事実をヨンに告げた。

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ドラマ『シンイ』の2次小説です。
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by junjun