開京の街を、ヨンは全速力で駆け抜けた。
王妃の名を使い、
ウンスを医院から連れ出そうとする輩がいる。
医院の周りには、スリバンが警護にあたっているが、
内官の衣をまとった輩には
簡単には手を出せはしない。
それこそ、ウンスの身に危害が加えられれば
スリバンは、身を挺してウンスを護るだろう。
されど、皇宮からの使いとなると・・・
ヨンは、言いようのない、不安と怒りを胸に
ウンスの医院へと駆け付けた。
一方ウンスの医院では・・・
内官の男を言い負かし、
控え室へと戻ってきたウンスは、
内官に気付かれないように、
ウォンソンとユリのもとへと向かった。
ウォンソンとユリの傍には、
すでに、警戒を高めたアイルとソヨンが
二人の幼子を庇うように、扉を睨みつけていた。
「アイル?
ソヨン?」
ウンスは、扉の前から、
小さな声で呼びかけた。
「お、奥様?」
アイルが、扉を少し開けて
ウンスの顔を確認する。
そして、静かに扉を開けると
ウンスが部屋の中へと入ってきた。
「アイル、ソヨン。
子供たちは・・・?」
ウンスは、すぐにウォンソンとユリの様子を
確かめた。
「はい、今は落ち着いて・・・
お休みになられています・・・」
ソヨンが、二人並んで眠るウォンソンとユリに
視線を送りながら言った。
「そう・・・
なら、大丈夫ね・・・
でも、万が一の事もあるから、
気を抜かないでいてくれる?
そして、その時は、何がなんでも
この子たちを護って・・・。
もうすぐ、ヨリが来るはずだけど・・・
いざとなったら、屋敷へ・・・
お願いよ・・・」
ウンスは、内官を焦らしながら
時間を稼いではいるが
それがいつまで持つかはわからない。
そして、痺れを切らした内官が
どんな事をするかも、想像できなかった。
とにかく、ウォンソンとユリだけは
護らなくてはならないと
ウンスは心の中で固く誓った。
「奥様・・・」
「じゃぁ、私は戻るけど・・・
あの子たちが、
穏やかに眠っているのなら、
きっと大丈夫よ。」
ウンスは、アイルとソヨンを
励ますように言うと、
扉を少し開け、そっと部屋を出ていった。
医院の庭では・・・
内官が、ウンスの支度を
今か今かと待っている。
「奥方は、まだ支度が出来ないのか?
一体いつまでかかるんだ?」
内官が、一人ごちている後ろから
地を這うような声が聞えてきた。
『お前は・・・
一体、何者だ・・・?
何故、我が妻をを連れて行こうとする?』
内官は、その声に、ゆっくりと振り向いた。
その視線の先には、
全身に雷光を纏い、
怒りの形相で、内官を睨みつけるヨンが立っていた。

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ドラマ『シンイ』の2次小説です。
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by junjun