それは、突然の報せだった。
「奥方様!!
奥方様!!
至急、坤成殿へお出で下さい!
王妃様が、お倒れに!!」
開京の市井。
チェ家の屋敷と皇宮の
真ん中あたりにある、ウンスの医院へ
皇宮の内官が駆け込んできた。
「え?王妃様が?
一体どうして?」
ウンスは、診療日誌を書いていた手を止め
内官に振り向いた。
「すぐに参ります。
ソナ!
往診の準備を・・・
それから、内官様。
典医寺へ知らせてありますか?
チャン先生とミョンウォルを
坤成殿へ呼んでおいてください。」
ウンスは、王妃が倒れたことを知らされ
その時が来たのかと
全身が凍る思いだった。
それでも、必要な事を
次々指示すると
医員の厩に繋がれている馬を
準備させた。
「奥様。
まさか、馬で皇宮へ行かれるのですか?」
ソナが心配そうな顔で
ウンスの準備を手伝っている。
「ええ、そうよ。
王妃様がお倒れになったの。
輿に揺られてる場合じゃないわ。
ヨンに、馬の乗り方を教えてもらったから。
これでも江華島まで、馬で行ったんだから。
ソナは、テソンと一緒に
医院の患者さんをお願いするわね。
あ、それから・・・屋敷から
ヨリがくるまでの間
ウォンソンとユリのことも・・・」
ウンスは、ソナに色々頼みながら
文を手渡した。
「ソナ・・・
私が、医院を出た後すぐに
この文をマンボ姐さんの店に届けて頂戴。
あの内官・・・
どこか、おかしいわ。
王妃様のご容態の事で
内官が此処にくる事はないはず・・・
お願い、頼んだわよ。」
ウンスは、ソナの耳元で
小さな声で告げると、
袖の中にクムを、足首にはヨンから渡された
朱色の短剣を装備した。
「奥様・・・」
「大丈夫。
これでも、戦の中を生き抜いてきたのよ。
ちょっとやそっとじゃやられないわ。
子供たちのこと、お願いするわね。」
ソナの心配そうな顔を横目に
ウンスは、医院の私室から
往診の準備を整えて出てきた。
その頃、医院の庭先では・・・
「内官殿。
王妃様のご容態を教えていただけませんか?
これから、ウンス様が往診にお伺いされますが
お持ちいただく薬草の準備がございます。
お知りになっていることを
お聞かせください。」
ウンスとソナが、往診の準備をしていた時、
テソンが、内官を問い詰めていた。
「いや・・・
私は、上護軍の奥方様をお呼びするようにと
命を受けただけで・・・
その・・・
王妃様の、ご容態については・・・
とにかく、お倒れになったと・・・」
「それでは、話になりませんね。
これまで、皇宮からのお呼び出しの際は
武閣氏の方か、迂達赤の方が
お迎えにこられていたのです。
それが、内官殿がお出でになったということは
余程の事かと・・・」
テソンは、チャン侍医から教わった
観察力を駆使して内官の様子を窺った。
内官は、テソンの追求を
額に冷や汗をかきながら
しどろもどろと躱している。
そして、とうとう、痺れを切らしたのか
大きな声をあげて叫んだ。
「奥方様!!
お急ぎください!!
もう時間がございません!!」
内官の大きな声に、ウンスの動きがとまった。

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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。
新しいお話《愛しき日々~天駈ける狼》を
お届けいたします。
一体どんなお話になっていくのか・・・
junjunにも想像できていません(;^_^A
今回も悲しい結末にはならない・・・?
あ、でも・・・
お約束は・・・できません・・・
ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
お読みいただき、
イメージが異なってしまうかもしれません。
その際は、スルーをお願いします。
by junjun