夢幻花揺れて・・・ 53 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。


ヨンは辛そうな顔で、主の屋敷での
やり取りを告げた。

『屋敷の者が、
主の面倒を見ると・・・

屋敷の者は、どうやら
覚悟をしていたようだ。

だが・・・
あれほど、弱っていては・・・
恐らく・・・』

「そうか・・・
わかった。

お前もご苦労だった。

一晩中、ウンスは、お前の身を案じておった。
今夜はゆっくりと休むがよい・・・」

チェ尚宮は、静かに告げると
立ち上がり、居間を出ていこうとした。

その時、今まで黙ってヨンの隣に座っていたウンスが
突然声をあげる。

「ヨン!
今から、私を主さんのお屋敷に連れて行って!!」

『ウンス?!』
「ウンス?!」

ヨンとチェ尚宮が同時にウンスの顔を見た。

「私は、医者よ。
病の人がいれば、駆け付け
治すのが仕事。

それに、主さんは私の命の恩人よ。

まだ、息を引き取った訳じゃないんでしょう?
だったら、私が診なきゃいけないの。

ヨン。
早く、連れて行って!」

ウンスは、立ち上がり
すぐに往診の準備を整えた。

『ウンス・・・
貴女は、病み上がりの身です。

それに・・・恐らく・・・
間に合いはしません・・・』

ヨンは、今まで、数多くの死を見届けてきた。

剣で斬られた者
毒を盛られた者
病で倒れ、
治療の甲斐なく息を引き取った者

それらの経験から、主の命の灯が
儚くなっていることを察していた。

「だからって・・・
このまま、何もせずに
見殺しにしろっていうの?

ヨン!
私は医者よ。
医者として、どんな人だって
全力で治療する!

ヨンが連れて行ってくれないのなら
私、一人で行くわ!」

ウンスは、往診の道具を抱え
居間から出ていこうとした。

『わかりました。
お連れ致します。

されど・・・
無茶だけはしないでください。
約束ですよ。』

ヨンは、ウンスの医者としての
心構えに屈し、主の屋敷に連れて行くことにした。

「ウンス・・・

この花を・・・
持って行ってやれ・・・

この花は、主の心だ・・・」

チェ尚宮は、宮の庭に
いつの間にか咲き、
ウンスの目の前で散って行った
白い夢幻花の花びらを手渡した。

『叔母上・・・
この花は・・・?』

ヨンは、屋敷で咲き乱れていた
夢幻花と同じ花の花びらが
色違いで、そこにあることに驚いた。

「お前が帰る少し前だ・・・

ウンスが、ここの庭で見つけた。
そして、ウンスの目の前で
散った花の花びらだ・・・」

チェ尚宮は、その花が
主の命の象徴ではないかと思っている。

『この花びらが・・・
叔母上・・・』

「ヨン。
しかと、その眼で確かめてこい。

そして、出来る限りの事を
して差し上げろ。

王様には、私からお伝えしておく。」

「叔母様。
出来る限りの事をしてきます。」

「ウンス。
夜が明けぬうちに
戻って来れるなら
戻ってくるのだ。
良いな?
長居は無用ぞ?」

「はい、叔母様。」

ウンスは、チェ尚宮にぺこりと頭を下げると
医者の顔で、真っ直ぐに力強く歩き始めた。













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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。
ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
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その際は、スルーをお願いします。
by junjun