夢幻花揺れて・・・ 52 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。

ウンスとチェ尚宮が、
忘れ去られた宮の居間で
ヨンの帰りを待っていると
ウンスの耳にチュホンの蹄の音が
遠くから聞えてきた。

「叔母様。
ヨンが帰ってきたみたいです。」

ウンスは、嬉し気に立ち上がると
居間の扉を開けた。

宮の庭に、チュホンが
蹄の音を消すかのように
静かに入ってくる。

「まこと・・・
ウンスには、チュホンの蹄の
音が聞こえていたのか・・・?」

チェ尚宮は、ウンスの言葉が信じられず
その様子に驚いた。

「ヨン!」

ウンスは、庭へと駆け下り
チュホンの前に立つ。

チュホンは、ウンスに甘えるように
ブルルルと鼻を鳴らしながら
長い鼻をウンスに摺り寄せる。

「チュホン・・・
ご苦労様。
ヨンを無事に連れて帰ってくれたのね。」

ウンスはチュホンの鼻を撫でながら
チュホンを労っていた。

『ウンス・・・
只今、戻りました・・・』

チュホンから、降り立つヨンの表情は
暗く悲しそうだった。

「ヨン。
お帰りなさい。

どうしたの?
何か、あった?
誰か、怪我でもした?」

ウンスは、ヨンの後ろを怪我人がいないか
探すように見る。

『怪我人は・・・
おりません・・・

されど・・・』

ヨンは、ウンスの後ろに立つ
チェ尚宮に気付くとその続きの言葉を飲み込もうとした。

「ヨン。
黙っていては、何もわからぬ。

とにかく、中に入れ。
病み上がりのウンスに
夜風は体に障る。」

チェ尚宮は、ヨンの様子から
何があったのか、察しがついた。

此処が皇宮の中の
忘れ去られた宮であったとしても
夜の静けさの中、
どこで、誰が聞き耳を立てているかもわからない。

チェ尚宮は、居間へと入ってから
ヨンの話を聞くことにした。

ウンスは、ヨンとチェ尚宮の話の間に
ヨンが無事に無傷で帰ってきたのか
くまなく診ていた。

「怪我は・・・してないみたいね・・・
でも・・・
ヨンの心が・・・
泣いている・・・わ。」

ウンスは、ヨンに告げると
チェ尚宮の後をついていくかのように
ヨンの腕を引っ張りながら
宮の居間へと入って行った。






居間に入ると、
チェ尚宮が、熱い茶を淹れて
ヨンとウンスの前に差し出す。
そして、自分にも
その茶を淹れると、
一口だけの茶を飲んだ。

ヨンとウンスは、何も言わず、
チェ尚宮の前に座っている。

チェ尚宮は、お茶の器を卓に置くと
ヨンの目を真っ直ぐにみて一言いった。

「隠し事はならぬ、
全て、正直に話せ。

何があっても、私は驚かぬ。」

チェ尚宮の毅然とした態度に
ヨンは、主の今夜の行いを話して聞かせた。

「全く・・・
昔から、変わらぬ・・・

真っ直ぐすぎて・・・

それで・・・?
主は、どうした?」

チェ尚宮は、何もかもわかっていながら
主の最期を、ヨンの口から聞いた。
それは、主の望みでもあると、チェ尚宮はわかっていた。

『別邸から・・・
救い出したが・・・

主の最期の願いと・・・

主の屋敷に連れて行った・・・』

ヨンは、主が最後の気力を振り絞って告げた
願いを叶え、主の屋敷へと連れて行った。














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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。
ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
お読みいただき、
イメージが異なってしまうかもしれません。
その際は、スルーをお願いします。
by junjun