unrequited love~儚き想い~ 44 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。

高麗軍が、開京近くに到着するまでの間
ヨンは、ウンス、ウォンソン、ユリと
穏やかな時を過ごしていた。

時折、スリバンや《蒼い狼》たちが、
顔を覗かせることがあったが、
何事もなく、時は流れていった。

ウンスは、時折、遠くを眺めながら、
何か考え込んでいた。

ヨンは、ウォンソンと剣の鍛錬をしながら、
その様子を見守っていた。

ウォンソンとの剣の鍛錬を終え、
遠くを眺めるウンスに近づき、
そっと声をかけた。

『何を、考え込んでいるのです?』

「え?あ、ヨン・・・

別に・・・何も・・・

ウォンソンとの鍛錬は終わったの?
あの子、ヨンに鍛錬してもらうの、
とっても楽しみにしていたのよ。」

ウンスは、ヨンから、視線をはずしながら
話をごまかそうとした。

『あの年頃の子供にしては、
筋が良いと思います。

勘もするどく、飲み込みも早い。

心身ともに鍛えれば、
良い剣の使い手となりましょう。』

「そう。
さすが、貴方の息子だけあるわね。」

言葉は嬉しそうに聞こえるが、
ウンスの瞳には、哀しみの色が浮かぶ。

『ウンス・・・
何を悩んでいるのです・・・?

俺には、話せないことですか?』

ヨンは、ウンスの隣に座り、
その肩を抱き寄せ聞いた。

「悩みなんて・・・
ないわよ・・

ただ・・・

この先も、戦があることは確かなの・・・
そして、武器が進化していることも・・・

でも、その進み具合が、
違うの・・・」

ウンスは、胸にしまっていた不安を
ポツリポツリと話始めた。

そして、ヨンの目の前に、
一冊の書を差し出した。

『これは・・・?』

「ん・・・
これは・・・

今の高麗で作ろうと思えば
作れると思える新しい武器・・・

火薬・・・黒い粉を使って
敵に甚大な被害を与えることができる・・・

私が知りえる限りのことを
書き溜めてきたもの・・・

ヨン・・・
これを、貴方に預けるわ。

私は、戦の事はわからない。
だから、この書を、ヨンが使うか使わないか
それは、ヨンの判断に任せる。」

ウンスは、高麗に残ると決心したときから、
少しずつ書き溜めてきた書を
ヨンに手渡した。















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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。
ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
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イメージが異なってしまうかもしれません。
その際は、スルーをお願いします。
by junjun