駅が見えて来ました…


「着いちゃったね…」


そう言う自分に…


「うん…」


そう答える佳奈さん…


「お兄さんによろしく言ってね…」


「うん…」



電車が駅に滑り込む様に入って行きます…



「着いたら電話してね…」


「うん…」



「指切りの約束…

忘れないから…」



「うん…」



「頑張って受験勉強するから…」



「うん…」



「佳奈さんが大好きだよ…」



「うん…しょぼん



握ってる佳奈さんの手が

自分の手をギュッって握り返して…



電車のドアが開きました…

「じゃ…

佳奈さん…


またね…しょぼん


握ってた手を離し…

電車から降りようとした時…


背中から聞こえてくる佳奈さんの…


「じゅん君…しょぼん

の声…


佳奈さん…

声…震えてるよ…しょぼん


泣いてるの…?


淋しい…?


自分だって淋しいよ…しょぼん


離れたくないよ…しょぼん


電車を降り…

振り返ると…


この駅から乗り込む乗客の為…


ドアから少し離れてる佳奈さんの姿が…


見えたり…隠れたり…


それでも佳奈さんは…

必死に自分の姿を探しています…しょぼん


涙が溢れそうになるのを我慢して…


佳奈さんに笑顔で手を振りました…


自分の姿を見つけた佳奈さん…


涙が溢れてて…


それでも…

自分に手を振って…

電車から…


「じゅん君…しょぼん

着いたら…

電話するから…しょぼん


「うん…」



「指切りの約束…

忘れないでね…しょぼん


「うん…」


電車のドアが閉まりました…


電車の中の佳奈さんの唇が…

「じゅん君…

またね…しょぼん


そう動いています…


自分は…

「うん…うん…」

と頷き…


電車が動き始め…


佳奈さんの姿が小さくなり…


電車が見えなくなるまで…

駅のホームに立っていました…


「佳奈さん…

またね…しょぼん



また会えるよね…しょぼんしょぼんしょぼん
お兄さんが心配して来てくれましたが…


自分と佳奈さんが二人でいるのを見て…


何も言わないで席に戻りました…



どんなにゆっくり走ってと願っても…


電車は次の駅に近付い来ました…



「佳奈さん…


もう降りないといけなくなってしまったよ…しょぼん



「うん…しょぼん


でも、じゅん君が乗ってくれたから、幸せな時間だったよ…」



「いくら一緒にいたくても…

やっぱり離れないといけない時間はくるんだね…しょぼん


「愛知までこのまま一緒に行っても…

やっぱり離れないといけないんだもんね…しょぼん



「佳奈さん…


淋しいけど…


いつも思ってるよ…しょぼん



「私も…


また明日からお医者さんになる為の勉強するね…」



「うん…

自分も受験勉強しようかな…ガーン



「しようかなじゃなくて…

しないといけないの…プンプン


「アハハ…ガーン

頑張るよ…ショック!



「成績落ちてたら…


夏休みは帰って来ないよ…プンプン



「えっーーしょぼん


そんな…


頑張ります…

絶対成績上げるから…ショック!


「ウフッ…にひひ


約束だよ…ニコニコ



「うん…ショック!



「じゃ…

指切りしよう…ドキドキ


「うん…ドキドキ


二人は指を出し…



「指切りげんまん…

嘘ついたら…


針千本………」


佳奈さんがそこで歌うのを止めて…


「じゅん君に針千本も飲ませるなんて…


可哀相で出来ないよ…ショック!



「佳奈さん…

おまじないみたいなものだから…ガーン



「それでも…イヤ…しょぼん



じゃ…


針千本の変わりに…



キス千回してもらう…キスマーク


「アハハ…ガーン


それなら罰にならないよ…ガーン



「そうかな…


じゅん君…


唇腫れちゃうよ…にひひ



「佳奈さんもだよ…にひひ



「あっ…


そうだね…ガーン


でも、それでもいい…ニコニコ


じゅん君…

もう一度…」



「指切りげんまん…


嘘ついたら…


キス千回してもらう…


指切った…ドキドキ



佳奈さん…しょぼん


佳奈さん…しょぼんしょぼん


キス千回したかったよ…しょぼんしょぼんしょぼん
「じゅん君…ショック!


「アハハ…ガーン


乗ってしまった…ショック!



「乗ってしまったって…ショック!

どうするの…?」



「次の駅で降りるよ…ショック!


車掌さんに話してくるよ…ガーン



「えっ!?

次の駅ならいいんじゃないの…?

そのまま次の電車で戻れば大丈夫よ…ショック!



「ううん…


電車に乗ってしまったのは自分だから…


ちゃんと話してないとイヤなんだ…ショック!


佳奈さんといる時に、そんな事をした思い出を作ったらいけないんだ…しょぼん



「じゅん君…


相変わらず真面目ね…


でも…


やっぱり私はそんな考えのじゅん君が大好きだよドキドキ


車掌さんを二人で探し…


乗ってしまった乗車券を買おうと…


説明すると…


車掌さんが…



「次の駅までの二人の時間を少しでも大切にしなさい…ニコニコ


遠距離に負けないでね…ニコニコ



そう言って…

違う車輌の方に歩いて行きました…しょぼん



「じゅん君…しょぼん

車掌さんいい人だね…しょぼん



「うん…


素直に好意に甘えようか…ニコニコ



「うん…


次の駅まで…


この手を離さないよ…しょぼん



「佳奈さん…


無意識に飛び乗ってしまったけど…


離れたくなかったんだ…しょぼん

佳奈さんの手を離したくなかったよ…しょぼんしょぼん



「うん…


びっくりしたけど…


嬉しかったよ…しょぼんしょぼん



二人で元のドアの所に戻り…


手をギュッって握り…


ただ…



二人共黙って…


流れて行く電車からの風景を見ていました…



もっとゆっくり…


もっと…


ゆっくり走って…しょぼんしょぼんしょぼん