少しずつおばあちゃんと話する様になり…


「じゅん君はもうお魚食べられる様になったの…?」


「あっ…

はい…

あっ…いえっ…

まだ…少しですが…ガーン



「アハハ…にひひ


佳奈ちゃんに食べなさい…

とか言われてたの…?にひひ



「好き嫌いはないのがいいって…

佳奈さんには言われてました…ガーン



「そうなのね…にひひ


佳奈ちゃんは…

じゅん君が本当に大好きだったのよ…ニコニコ



佳奈ちゃんもね…


お魚食べられなかったの…にひひ



「えっ!?!?



「こんな事言ったら佳奈ちゃんに怒られるかな…にひひ


じゅん君がお魚食べられないって聞いた時に…


佳奈ちゃんは…

じゅん君も一緒だって思って嬉しかったみたいなの…

でも…

二人共がお魚食べられないのは、いい事ではないと思ったみたいなの…ニコニコ


どうしてか分かる?」



「いえっ…」



「いつか…

二人が結婚して…


子供が出来て…


両親がお魚食べられなかったら…


その子供もお魚食べられなくなっちゃうでしょ…ガーン


「あっ!?

そうですね…ニコニコ



「だから…

佳奈ちゃんは…


それから毎日…お魚食べてたのよ…

最初は我慢しながら食べてたみたいだけど…(笑)



私やお母さんに…


どんな風に料理したら、食べやすくなるかとか、聞いてたのよ…ニコニコ



「そうだったんですか…ニコニコ



「佳奈ちゃんの…


佳奈ちゃんの未来には…


じゅん君しかなかったの…しょぼん


「はい…しょぼん


「まだ高校生位でそこまで考えるのか…


私…聞いた事あるの…


そしたら…佳奈ちゃんは…

『私はじゅん君が大好きドキドキ

だから…いつかじゅん君のお嫁さんになりたいの…ニコニコ

でも…

じゅん君が…

私をお嫁さんに選んでくれないかも知れない…ショック!


そんなのイヤだけど…しょぼん



だけど…

私と違う人とじゅん君が結婚して…


その子供達がもしお魚食べられなかったら…


可哀相でしょ…しょぼん


だから…

じゅん君には、好き嫌いはない様にしててあげたいの…ニコニコ


そう言ってたの…しょぼんしょぼんしょぼん


佳奈さん…


あなたのお陰で、お魚食べられる様になったよ…ニコニコ


ただ…


お肉かお魚なら…


まだお肉を選ぶけどね…(笑)


一緒になれてたら…


もっともっと…


お魚食べられただろうね…ニコニコ
佳奈さんが亡くなって…


自分はしばらく愛知を離れたくなくて…


佳奈さんの実家である、おばあちゃんの家で居ました…


自分は…

早くにおばあちゃんを亡くしていたので…


おばあちゃんとどうしたらいいのか分からなかったし…
佳奈さんを亡くして…


「生きる…」と決めただけで…

毎日何をする事もなく過ごしていました…


おばあちゃんは…


そんな自分に何も言わず…

ただご飯だけ作ってくれてました…


食欲がない自分はほとんど手をつけず…


「ごちそうさまでした…」

自分に与えられた部屋に戻りました…


何日かしたある日…


毎日ほとんど寝てなかったんですが…

少しうとうととしてる時…

部屋のドアが少し開きました…


自分はそのまま寝たふりしてると…


ドアが閉まりました…


またうとうとして…

たぶん1時間位した頃だと思いますが…


またドアが開きました…


また寝たふりしてると…

ドアが閉まりました…


何度かそんな事があり…



朝方…


またドアが開き…


今度は部屋に入ってくる気配がしたので…


そのまま寝たふりしてたら…


自分の乱れた布団を直してくれて…


自分は…

目を閉じてました…


しばらくしてると…


おばあちゃんが…



自分の頭を撫でて…


小さな声で…


「死なないでね…しょぼん


そう言いながら泣いています…しょぼんしょぼん



おばあちゃんは…

自分の事が心配で…

何度も何度も夜中に自分を、見に来てたみたいです…しょぼん


おばあちゃんの温かい手の温もりを感じて…


自分は必死にそのまま寝たふりを続け…


おばあちゃんが部屋から出て行った後…


泣きました…しょぼんしょぼんしょぼん


自分以上に悲しかったはずの…

おばあちゃんが…


自分の事を心配してくれてる…しょぼんしょぼん


おばあちゃんは寝ないで…

自分の部屋に何度も来てくれてたんです…しょぼんしょぼん


「おばあちゃん…


ありがとう…しょぼんしょぼんしょぼん
佳奈さんが中学に入って少しした頃…


佳奈さんのお父さんの仕事の関係で、愛知から引越さないといけなくなりました…


佳奈さんは…

「私は行かない…

行きたくないから…しょぼん


お父さんとお母さんが…


「みんなで行かないといけないんだよ…ショック!



「おばあちゃんは行かないんでしょ…?」


おばあちゃんが…


「佳奈ちゃん…

おばあちゃんはここでずっと暮らして来たし…


おじいちゃんのお墓があるから…」



「だったら私もおばあちゃんとここにいる…しょぼん


佳奈さんのお父さんもお母さんも…

おばあちゃんに一緒に来て欲しいと言ってたみたいですが、おばあちゃんは…

「私は大丈夫だから…

おじいちゃんを一人にしたら淋しがるから…しょぼん


そう言ってたそうです…


佳奈さんが家族から…

ワガママで頑固だって言われてたけど…

おばあちゃんに似てたのかも知れません…ガーン


そんなおばちゃん子の佳奈さんは…

何度引越す事を言われても…
うん…とは言わないで…


「私はおばあちゃんと暮らすから…

おばあちゃんを一人には出来ないよ…しょぼんしょぼん


お父さんとお母さんを困らせてました…

引越しまでもう少ししかないある日…


おばあちゃんが…

「佳奈ちゃんと二人で話させて…」



佳奈さんとおばあちゃんは二人になると…


おばあちゃんは…

何も言わず…


佳奈さんを抱き締めました…


「おばあちゃん…しょぼんしょぼんしょぼん


それでも…おばあちゃんは何を言わないで佳奈さんを…

さっきより強く抱き締めるだけだったそうです…しょぼん


「おばあちゃん…しょぼん

私ここにいていいでしょ…?

おばあちゃんと離れたくないの…しょぼんしょぼんしょぼん



しょぼんしょぼんしょぼん


佳奈ちゃん…


おばあちゃんの大切な大切な佳奈ちゃん…しょぼんしょぼん

優しくて可愛くて…

おばあちゃんは佳奈ちゃんが大好きよ…しょぼんしょぼんしょぼん


「おばあちゃん…しょぼん

私も大好き…しょぼんしょぼん


だから…おばあちゃんの側にいていいでしょ…?しょぼんしょぼん



「佳奈ちゃんは本当に優しい子…


だったら…

お父さんやお母さんが淋しい気持ちも分かるでしょ…?

お兄ちゃんもみんな佳奈ちゃんの事が大好きなのよ…」


「分かってる…しょぼん

だけど…

おばあちゃんと一緒にいたいの…しょぼん



「おばあちゃんはここで…
佳奈ちゃん達が時々遊びに来てくれるのを待ってる…

今度、佳奈ちゃんに会った時に…

佳奈ちゃんがどんなに成長してるのか、本当に楽しみなの…ニコニコ


一緒にいなくても…

佳奈ちゃんが成長して行く姿を、想像するだけで幸せなの…ニコニコ



「おばあちゃん…しょぼんしょぼん



「佳奈ちゃんが『おばあちゃんを一人に出来ない…』って言ってくれて…

本当にありがとう…しょぼんしょぼん

嬉しかったわ…しょぼんしょぼん


それだけで充分なの…ニコニコ


佳奈ちゃん…

待ってるからね…ニコニコ



「………しょぼんしょぼん


うん…しょぼんしょぼんしょぼん


おばあちゃん…しょぼんしょぼん


待っててね…しょぼんしょぼんしょぼん



佳奈さんが亡くなった時…


一番悲しかったのはおばあちゃんだったのかも知れません…しょぼんしょぼんしょぼん


佳奈さんが亡くなって…

5年後…



おばあちゃんも天国に行きました…しょぼんしょぼんしょぼん


今はまた二人で天国で仲良く暮らしてると思います…しょぼんしょぼんしょぼん