バイオダイナミック農法は、ドイツのルドルフ・シュタイナーが提唱した有機農法(オーガニック栽培)の1つで、四大エレメント(水・土・熱・光/空気)を媒介して伝えられる天体(太陽・月・惑星)エネルギーを利用した全く新しい植物栽培法。
日本での知名度はまだまだですが、ドイツやフランスなどではかなり普及しており「世界最高の有機農法」として知られています。
事の始まりは、1800年代後半から徐々にヨーロッパで普及し始めた燐酸系・窒素系化学肥料の使用により今まで何百年も続いてきた伝統ある農地が次々と不毛の地と化していったことにあります。
化学肥料の使用によって1920年までには既に作物の味、病虫害に対する抵抗、家畜の健康、タネの発芽率などが著しく低下するという弊害が生じ、人智学に親しむドイツの農民達がルドルフ・シュタイナーに助けを求めたのです。
これに応じる形でシュタイナーは、自然のリズムとの調和を重んじて健康な土壌作りと植物の組成力増進の達成を図る持続可能な農業に関する8つの講義(農業講座―農業を豊かにするための精神科学的な基礎)を授けました。
こうして始まったバイオダイナミック農法は、無農薬、無化学肥料はもちろんのこと、鉱物・植物・動物などから特別な方法によって作られる「調合剤」や特殊なカレンダーを用いて農作業が行われます。
バイオダイナミック農法では、太陽、月、惑星と地球の位置関係が土壌や生命体の成分及び気象等に与える影響を重視して、種まき、苗植え、耕うん、調合剤の準備や施肥、収穫などの時期を天体の動きにあわせて選択します。
また、土壌バランスや植物を健康に保ちつつ効果的な収穫をあげるためのサプリメント或いはコンディショナーとして、人為的な化学物質はいっさい使用しないかわりに、天然のハーブや鉱物、家畜を利用して作った各種調合剤を施します。
この農法は世界各地のバイオダイナミック・リサーチセンターで長年にわたって実験が繰り返され、高い効果が報告されています。昔の農民達の間で迷信のごとく伝わってきた星の運行による農事暦の知恵が、シュタイナーと彼以降の研究者により体系立てられて甦り、一定の評価を得るに至ったといっても良いでしょう。
【調合剤について】
調合剤の役目は、地球の大地が本来持っている「自らを調和することができる力」を与えるためのものです。この調合剤には番号があり、500番~508番の調合剤とマリアトゥーン樽堆肥というものが使用されています。
材料はそれぞれの調合剤によって異なりますが、具体的には「水晶」「カモミール」「ノコギリソウ」「たんぽぽ」「雌牛の角」などを使用します。
例えば、501番の調合剤は「水晶の調合剤」といわれ、水晶をベースに作られます。そして次のような作用をもたらすとされています。
・植物の光新陳代謝を増強させる。
・光合成と葉緑素の構成を刺激する
・作物の色、芳香、風味を良くする。
・作物の品質と栄養価を保つ。
・病気や害虫に対する抵抗力を高める。
・太陽と関係する。
これら調合剤を使用することにより、無農薬・無化学肥料であったとしても「作物本来が持つエネルギー」を最大限に引き出すことが出来るのです。
惑星の位置や惑星同士の関係などから、果菜(実の日:熱のエレメント)、花菜(花の日:光のエレメント)、根菜(根の日:土のエレメント)、葉菜(葉の日:水のエレメント)の4つに分類し、その適した時間と、作業しない方がよい休耕を、1時間単位で示したカレンダー。
種まきや植物の育成以外にも、
「日々の生活の中で、四つのエレメント(土・水・熱・光)は、お天気や風や光の様子、山の見え方、寒さや湿度などでとてもよく感じることができます。
また、パンは水のエレメントの日には膨らみにくく、光の日にはとてもよく膨らみおいしく焼けるのです。酵母を育てるときや、ジャムづくり、ジュースづくり、梅を漬けたり、味噌を仕込んだりするときもすべて光(花)の日、または熱(実)の日にするととてもおいしいものができます。
また、クリーム、ローション、オイルなどを作るときにも光か熱の日(特に光の日)に作ると長持ちし、水の日や休耕日につくると早く悪くなることがわかっています。」(2006年度版 P64より)という事もあるようです。(実際に試してみると面白いと思います)
今年の気象について、惑星の影響による、月毎に、どんな天気や気温になるかの予想も書かれています。
種まきカレンダー2012
本書の発行は1987年より発行し始め、当初は、もともとマリア・トゥーンが毎年製作している「The Biodynamic Sowing and Planting Calendar」(「種まきカレンダー」英語版)の日本語訳として発行されていましたが、2008年から、マリア・トゥーンの英語版の翻訳を止め、「ぽっこわぱ耕文舎」が製作しています。「種まきカレンダー」は、基本的には月の星座の位置が正確に分かれば、実(熱)、花(光)、根(土)、葉(水)の4つの分類は、そんなに難しくありません。問題は、黄道十二宮の分割位置(きれいに十二等分していない)、月状態(上昇・下降、近地点・遠地点など)、月や月以外の惑星の星位による影響などで、分類が変わったりします。また、休耕日(畑の作業をしないほうがよい日)になる条件には諸説あり、出版元「ぽっこわぱ耕文舎」(九州の阿蘇)の日本でのこれまで実績を考慮。
(http://www.tenkachisei.jp/books/1555.htmlより)
