失敗のあとに成功があり
成功のあとに失敗がある。
人生とは、そういうものだ。
最大のピンチからの逆転。
火事場の馬鹿力を発揮したあとの
気の緩みはハンパない。
おまけに褒められたとなれば
そりゃもう、有頂天三上の出来上がりである。
しこたま美酒を味わい
クライアントさんにお礼を言い
さて、帰ろうと店を出た。
お店が近所だったので
その日は自転車で来ていた。
さすがに酔っているので
押して帰ろうと自転車を探すが見つからない。
あれ?どこに止めたっけ⁇
あっちこっち探しまわるが
自転車が見つからない。
そもそも、歩いてきたのか⁇
おかしいな〜
と彷徨っていたら
やっとこさ、自転車を発見。
やっぱ、自転車で来たよな!
そんな確認をしているくらいなので
しっかり酔っ払っている。
さて、帰ろうと自転車に触れたところで
意識のスキップ現象がおこる。
三上クラスの酔っ払いになると
ある一定時間の意識がすっぽりと
抜け落ちていることがある。
これを意識のスキップ現象と
三上は呼んでいる。
スキップ現象は、突然やってくる。
だが
その日のスキップ現象は
いつもと何かが変わっていた。
どれくらい時間が経ったのだろう
意識が戻ると、目の前の人に
三上が仕切りに何かを訴えている。
スキップ現象を経て
突然意識が戻るので、なにがなんだか
状況がまったく分からない。
目の前の人に
何やら訴えようとしていたようだが
状況が把握できていないので
何を訴えて良いのか分からない。
三上は考える
ここは、いったいどこなんだろう?
周りを見渡してみる。
六畳くらいの狭いコンクリートの部屋
その部屋に、デスクがひとつ。
三上が知る限りでは
そこはまるで、交番のようだった。
交番⁈
目の前の、おまわりさんに
何かを必死に訴えようとしている。
いったい、なにが⁈
ここから、記憶を辿る恐怖の体験が
はじまります。
続く