少し前に

劇団の稽古は労働だと訴えた元劇団員が
運営会社と裁判になり
給料相当分のギャラを勝ち取った。

というニュースがあった。

それについて意見を求められたので
三上なりの感想をお話しした。

その一部です。

今年、45歳になる自分としましては
世代の違い
というのが率直な感想です。

体罰あたり前、パワハラ、モラハラなんて
言葉がない時代に育った自分たち世代に
とっては、分からない感覚です。

演劇を労働と思って、はじめた人も
自分は知りません。

みんな憧れや、ただただ好きだという
思いだけで、舞台に立ってきました。

寝ないで、セットや小道具を作ったり
深夜に稽古をして、そのままバイトに行く
ことも、別に珍しいこととは思いません。

公演が終わり、ギャラが貰えれば
ラッキーくらいな感覚で
労働基準法なんて考えたことはありません。

というのが

自分世代の感覚ですが
時代が変わったのだと思います。
それが良いことなのか、悪いことなのかは
判断できません。

ただ、そんな昔話や苦労話を
笑って話せる先輩のような人が近くにいれば
裁判のようなことには発展しなかったのでは
と思います。

この一件というよりも
劇団では稼げないという現状に
問題があるのだと、自分は考えます。

そのために、劇団同士で協力出来る関係を
作りたく、現在JAPAN OFF STAGE
(日本小劇団連合会)という活動を
しております。 

まずは、劇団同士で助け合いやシェアを
しながら、負担を減らし
少しずつ環境を変えていきたいと考えています。

縦や横の繋がりが薄くなってきた現代に
繋がりを持てるコミュニティにしていきたいと
思っております。

世代を超えた意見交換が出来れば
裁判のようなことにはならないのでは…

演劇人として
もっと人間としての温度のある
解決作を考えたいと思います。



根本を変えなければ、何も変わらない
時間は掛かるが、コツコツとやっていこうと
改めて思った、そんな朝です。

現実に向き合いながら
ぼくらの挑戦は続きます。