40歳を過ぎた頃だろうか 
三上の頭にある疑問が浮かんだ。

自分って、なんで生きてるんだろ⁇ 
 
そんな事、考えたことがなかった。 

楽しいこと 
ワクワクすること 

なんか、それを選んでいたら 
こんな人生を歩んでいた。 

とくに後悔がある訳でもなく 
とくに何か手に入れたい訳でもなく 
自分が選んで生きてきた人生には 
納得していた。 

若い頃は「売れたい」と思っていた。 

役者として「売れる」とは 
一般的には、テレビに出るとか映画に出る 
とか芸能人として認められるとか 
そういうことを指してるのだと思うが 
いろいろ経験して、システムを理解すると 
やがて「売れる」に興味がなくなっていった。 

芸能界のシステムがどうのこうのとか
そういうことを言いたい訳ではなく 

生きるために、仕事をするのか 
仕事をするために、生きてるのか 

三上の考えるその違いだったと思う。 

若い頃に思っていた結果は得られなかったが 
その結果を受け入れられるくらいの 
努力はしてきたので納得していた。 

三上にとって役者とは 
生き様であり、生き甲斐である。 

でも、なぜか40歳過ぎて 

自分って、なんで生きてるんだろ⁇ 

そんな疑問が頭に浮かんだ。 

みんなそんな事を考える時期が 
あるのだと思うが、三上は40歳だった。 

遅くねぇ? 

と思うし 

もう今更よくねぇ? 

とも思ったが考えてみた。 

自分単位で考えても、ちっちゃ過ぎて 
よく分からないので 

人間って、なんで生きてるんだろ⁇ 

と、大きく考えることにした。 

それはそれで 
逆に大き過ぎて、よく分からなくなり 
いろいろ本を読んでみた。 

偉人の自伝であったり  
歴史の本であったり 
心理学の本であったり 
宗教の本であったり 
 
難し過ぎて、何を知るために読んでるのか 
何度も見失った。 
 
その迷走は 

動物って、なんで生きてるんだろ⁇ 
昆虫は⁇
道端に咲いてるタンポポは⁇

にまでおよんだ。 

迷走を繰り返しながらも 
三上なりに、ひとつの答えに辿り着く。 

 
種を繋ぐ。 


種を未来に繋ぐために、生き物は存在する。 


……


なんか壮大過ぎて、よく分かんねぇー! 


とりあえず、大っきく考えたものを 
ちっちゃい三上に当てはめてみる。 


 三上の種って…何?  

その答えが三上なりに出た時

新たな

ぼくらの挑戦がはじまった。