十周年記念公演はメンバーだけで 
行うことにした。 

場所は浅草にある元キャバレー 
篠原ホール。 

場末感が外組にはピッタリだ。 

外組の十年を振り返るような内容にしようと
 脚本は三上が書くことになった。 
 
とは言え脚本なんか書いたことがない。 

まぁ、なんとかなるか。  

いや、ならないだろっ! 

けど、言ってしまった手前 
やるしかない。 

とりあえず、原稿用紙と鉛筆を買ってみた。 

「昭和の文豪かっ!」 

と、総ツッコミを受けたが  
脚本は原稿用紙に書くもんだと 
思っていたので仕方がない。 

だって、はじめて書くんだもん。 




で、内容だ。 

外組の倉庫には、今まで使った 
小道具が溢れんばかりに詰まっている。 

というか、倉庫が 

 「もう入れません〜」 

というぐらい溢れている。 

中野がものを捨てられない 
タイプだからだ。 

ちなみに三上は捨てちゃうタイプだ。

役者仲間にも驚かれるのだが 
三上は台本ですら、終わったら 
すぐ捨てちゃう。

 役者としてどうなの? 

と、言われることもあるが 

台本をとっておいて 
芝居が上手くなったことも 
台本を捨てて芝居が 
下手になったこともないので 
あまり気にしていない。 

どうせ捨てちゃうので、需要があるなら 
物販で、実際に使った書き込みのある 
台本を出そうと企んでおります。笑 

この溢れた小道具たちにもう一度 
スポットライトを当てようとアイデアを 
ひねり出した。 

と同時に、外組がこの芝居をやったら 
こうなる!というのをやりたかった。 

マクベス 
仁義なき戦い 
蒲田行進曲 

を抜粋して書いてみた。 

マクベスに至っては 

「なに書いてあんのか 
 意味が分かんないよー!もうヤダっ 
 シェークスピアって誰だよ!」 

と、ヒロキチが泣き出したので 
本読みの途中段階で、早々に断念した。  

シェイクスピアが亡くなり400年が経つが
ヒロキチには、まだ早かった。

書いては丸めて捨て 
書いては丸めて捨てを繰り返し 
外組十年間が詰まった、おもちゃ箱の 
ような台本ができあがった。 

さて、稽古。 

これから 

勝手知ったる3人だけでの稽古に 
苦戦を強いられることとなる。