後半戦がはじまった。
ここから、あと2000人。
さすがに全員バテバテだった。
激しい本番を終え、舞台に立っていない
時間はすべて営業にあてる。
すでに力は残ってなかった。
それはリポDの消費量が物語っていた。
しかし、無謀な挑戦を支えてくれている
スタッフさんまでもが知り合いに
連絡しまくってくれている。
ここで止まるわけにはいかない!
最後の力を振り絞る。
観劇したお客様が、またお客様を連れて
観劇にきてくれるようになった。
回を追うごとにお客様が増えていく。
客席も急遽増席した。
当時スタッフがあげていたFacebookより
実際の残り動員数
残り10ステージ 残り1911名
残り9ステージ 残り1743名
残り8ステージ 残り1595名
残り7ステージ 残り1462名
残り6ステージ 残り1279名
残り5ステージ 残り1071名
残り4ステージ 残り876名
残り3ステージ 残り655名
あと3ステージ
すべて200名以上の動員が必要だった。
一瞬も油断できないギリギリの状況。
夏休みの宿題を最終日にやっていた
ツケがここにもか!
たぶん、本番中の舞台裏でも
いろんなドタバタがあったと思うが
あまり覚えていない。
オープンニングでサラシを巻いて出るの
だが一番最後に着替える人のだけ
誰も手伝わず
「ちょっとサラシ巻いてよ。」
「今、忙しいから無理。」
「サラシ巻いてよ。」
「時間ないから無理。」
「誰か、サラシ巻いてよー!」
「サラシ巻いてオジサンが出たぞー」
それを、飽きずに毎回やってたとか
中野がスキンヘッドに髪を貼り付ける
最強のやり方を見つけた!と
磁石を使ってくっ付けだし
「ヤベェ、磁気で頭が痛い…」
一人、苦悶してたとか
集合写真をとるので着替えて集合したら
両國さんが一人、花魁の格好だったとか
ほんと、しょーもないことしか覚えていない。
そして、迎える千穐楽。
もうやり残したことはない。
3000人、いってもいかなくても
やるだけやった。
もう悔いはなかった。
楽屋は会場の2階部分、ガラスを挟んで
舞台を見下ろせる位置にあった。
開演前、その楽屋に
スタッフが飛び込んできた。
「入り口に長蛇の列ができていますっ
この楽屋にもお客様を入れるので
撤収してください!」
お客様に立ち見席でも入れるかどうか
分からないと伝えると
どこでも良いから入れてくれと
言ってくれたそうだ。
「一人も帰しません。全員入れます!」
スタッフに押され、急いで楽屋を片付けた。
そして
3000人に届いたのか分からないまま
千穐楽の幕が上がった。



