劇場入り。 

搬入には、いつも2トンのトラックを 
使っていたが、今回は10トンのトラック。 

「デ、デカくねぇ?」 

搬入を手伝ってくれるアルバイトさん20人。

「お、多くねぇ?」 

規模の大きさにビビった。 

コケたら、解散どころか大赤字だ。 

「こりゃ、治験バイトぐらいじゃ 
 済まねぇな。」 

水産高校出身のヒロキチに 
すぐにマグロ漁船を調べてもらった。 

徐々に組みあがっていく 
ステージと客席。 

客席は180席。 

外組が経験する中で、一番デカい。 

客席の多さにビビって 
メンバーは手が空いたら 
チラシを配りに街に出かけた。 

出来ていなかったシーンも 
場当たり稽古で、なんとか仕上がる。 

いよいよはじまる。 

不安、緊張、興奮… 
様々な感情が行き交う。 

やることは、やった。 

あとは運を天に任せよー!

よぉーし、初日だっ

客席は半分くらいしか埋まってなかった。 

ウッソ〜ん!? 

毎公演、8割ぐらい埋まらないと 
3000人いかないんですけど〜

はい、公演中も営業しまーす。 

終演後は、観劇してくれたお客様が 
飲んでいるところを回り 
 
「お友達に宣伝してくださいっ!」  

頼みまくった。 

昼公演と夜公演の間は浅草の街に出て 

「おもしろいので、来てくださいっ!」 

チラシを配りまくった。 

勢い余って、浅草寺内でチラシを 
配っていたら警備員に怒られつまみ出された。 




この活動を連日続け  
半分の10ステージ終わった時点の動員は 

1000人。 

あと10ステージで2000人か… 

「もう、ムリじゃねぇ⁇」 

現実を目の前にし、愕然とした。 

それでも 

運を天に任せるなんて百年早い 
自分たちで掴みとるしかねぇ! 

ぼくらは挑戦を続けた。