九州ツアーは 
九州の役者にも参加してもらっていた。 

東京チーム、九州チームと別々に稽古し 
福岡で合流。 
何日かの合同稽古をするわけだが 
場所によっては、現地の方に実行委員会を 
立ち上げてもらっているところもあった。 

実行委員会の方々が懸命な宣伝活動を 
してくれていたが、なんせ地方の会館は 

バカでかい! 

キャパ500〜800なんてザラだ。 

無名の劇団の集客には困難を要した。 
稽古を早めに切り上げての集客営業が 
急務となった。 

「熱を伝えりゃ、なんとかなる!」 

地元の有力者を訪ねるチーム。 
チラシを撒き、ゲリラ営業するチーム。 

二手に別れての集客営業がはじまった。 

三上はもちろんゲリラチーム。 

ゲリラチームは 
訪ねる相手もいない、しかも知らない土地と 
なかなか難易度が高い。 

とにかく人が集まっているところを探し 
熱弁奮って、チラシを撒くしかない。 

そのゲリラチームの先陣を切っていたのが  
九州チームとして参加していた  
外組初期を支えてくれた
後の外組番頭、野村かおりだ。 

野村と二人で 
昼間は、夏休み中の学校に忍び込み 
部活中の生徒たちを捕まえて

「みんな集合〜!お芝居観たことある人? 
 これめっちゃ熱いから観に来なよ!」

と、チラシを撒き 

夜は居酒屋に潜入、飲んでる人に 

「この芝居、めっちゃいいですよ!」 

と言って回っては、つまみ出された。 

ある時、ゲリラチームで営業していると 
次の宿泊場所の近くでお祭りをやっている 
との情報をゲット。 

「今から行ってステージにあげてもらうべ!」

間に合うかギリギリの時間だったので 
ゲリラチームの1人を残し、車を飛ばして 
現場に向かった。 

お祭り会場では、まんまとステージに 
あげてもらうことに成功、宣伝に成功した。 

手応えを感じ、お祭り会場近くの宿で 
健闘を称えあっていた。 

「やっべ、忘れてた!」 

三上は思い出す。

ここに来る前、営業中だったゲリラチーム 
の1人だ。 
慌てて電話すると 

「もうすぐ着くっす チラシ撒きながら歩いて
 きましたよ〜」

四時間近く歩いて到着した、この男が 

後の外組親指、村田譲だった。 

この営業によって
すべての会場で8割近くの動員に成功した。 

自分たちの力だけではなく 
九州の皆様には本当にお世話になりました。 

今更ながら 
この場を借りて改めて御礼申し上げます。 

本当にありがとうございました。 

さまざまな事を経験をしたTHEATER JUNK  。

その後、JUNK公演を通じ

熱い心と冷ややかなもの言い
情熱と冷静を行ったり来たり
外組頭取、亀井俊彦さん。

人をもちアゲたら止まらない
生まれながらの太鼓持ち
庭師、喜楽にも出会うことになる。

さぁ、いよいよ役者が揃った!

この後

遂に、外組結成と相なります。