高校2年の三上は、ふと考え出す。
何かをやりたいというエネルギーはあるが
それを、どこに向けて良いかが分からない。
人とは、違う生き方をしてやるんだと
人と、同じ事を思いながら過ごしていた。
学校を休み、新宿へ行くことが多くなった。
何かを探し、彷徨った。
よく映画を観た。
暗い映画館に、一人でいるのが
何故か落ち着いた。
観る映画もなくなり、たまたま目についた
シアターアプルに入った。
芝居…?
舞台…?
公演していたのは
三宅裕司さん率いる
スーパーエキセントリックシアター。
なんだ⁈これ?
舞台に立っている人たちのエネルギーが
ハンパなかった。
超かっけ〜!
これじゃん!
これやりてぇ!!
やりたいこと、みつけたっー!!!
帰って、すぐに電話した。
あの〜スーパーエキセントリックシアターに
入りたいんですけど〜
「現在、劇団員は募集していません」
そこをなんとか〜
「募集していません」
なるほど。
でも、舞台に立ちたいっ !
ならば、他にもあるはずだと調べはじめる。
演劇の知識ゼロだった三上調べによると
「つかこうへい」って人もヤバいらしいと知る。
なるほど。
そんな時、北区につかこうへい劇団ができるとの
情報をゲット。
よし!行ってみるべ
はじめてのオーディション!
余裕で落ちる。
なるほど。
そりゃ、今まで観たことも聞いたことも
ないことをやろうとしたら、勉強しないとだ。
チマチマやってる時間は勿体ない。
よし、学校辞めよう!
あの頃の自分に教えてあげたい。
なんでそうなる?
高校にいたって演劇はできるんだぞ。
大学の劇研から派生してる劇団なんて
いっぱいあるんだぞ。 と
夢を見つけた若者は、
あ!あと、この先25年はお金に困るからな。
分かってるだけで、25年だ。覚悟しな。と
夢を見つけた若者は、無敵です。
前を向いて、突っ走るのみ!
「三上、高校辞めて役者目指しますっ」
決めたは良いものの
両親には、なかなか言いだせなかった。
何日もモジモジしてたのを覚えている。
考えていても仕方がない、当たって砕けろだ!
まず母親に言い、その後に父親に言うという
必勝パターンで挑んだ。
父親と面と向かって話しをしたのは
その時がはじめてだったと思う。
もちろん反対されたが、最後には
がんばれ。と背中を押してくれた。
母親の口添えがあったんだと思う。
晴れて
「三上、役者目指しますっ」宣言。
寮を去る時、先輩や仲間たちから貰った
「卒業証書」と書かれた、寄せ書きの色紙。
涙が止まらなかった。
その色紙は、今だに大切に持っている。
大事に、押入れにしまっている。
たしか、押入れにしまっている。と思う。
ちょっと一回、探しますね…
うん!あった。良かった。
高校生活に別れを告げ
工事現場でアルバイトをはじめる。
金貯めて、まずは1人暮らしだー!
ここから
三上のドロップアウト人生がはじまります。