映像は文字を越えられない、と勝手に思い込んでいるので、映画はあまり観ません。
月に1本観ればいいほうでしょう。
なので、好きな作家はいますが、好きな映画監督はいません。
『東京家族』 を観ました。
冒頭のような感じなので、絶対に観ようと決めていたわけではありません。
名作と言われている小津安二郎監督の『東京物語』の山田洋次監督版であることも
知っていましたが、『東京物語』も観ていません。
久しぶりに、いい映画を観たな、と素直に思いました。
私たちの日常生活の中で、それほど劇的で刺激的なことはありません。
でも、ちょっと首を左右に降れば、体罰で死を選んだ子供や隣国での核実験のニュース。
いったんは考えるけれども、またすぐに日常の生活へと戻っていく。
そんな日常をとても丁寧に描いている映画でした。
「この国はどこかで間違ってしまった」 という痛烈なメッセージ。
母の、妻の、突然の死。
1年半前に突然義父を失った僕としては、涙を抑えることができませんでした。
スクリーンの中で、夫役の橋爪功さんが息子にポツリと言います。
「母さん、死んだぞ」
義父が亡くなったとき、臨終を告げられた義母は孫にポツリと言いました。
「じいじ、死んじゃったよ」
どうしてでしょうね?
つれあいを失った直後の当人は、泣かないんです。
今日2月14日は、世間一般ではバレンタインデーです。
でも、僕にとっては、義父の月命日です。
今日は、遠回りをして帰ろうと思っています。