乗り換え駅のスーパーで、焼酎の4合瓶を1本買った。
普段だったら絶対に買わないような、ちょっと高いやつ。
レジで 「ご自宅用ですか?」 と訊かれたので、そうだと答えた。
スーパーの名前入りのビニール袋に、4合瓶を無造作に突っ込んだ。
スーパーを出たところで、実家に電話をした。
家を出る前に一度電話をしていたが、電車で行くことを伝えていなかった。
「電車で行くよ、あと40分くらいかな。腹減ったから、昼飯よろしく」
電話越しの父の声が、いつもより明るく聞こえるのは、気のせいだろうか。
己が家庭を持つと、「父の日」 の意味合いが変わる。
息子としての「父の日」
そして、父親としての「父の日」
父親としての「父の日」には、あまり期待をしていない。
それは、己の若かりし日の頃を思えば、無理からぬことである。
だから、せめて、息子としての「父の日」を迎えられる間は、まぎれもないあなたの息子でいたい。
昔の呑んべえ侍のように、焼酎の入ったビニール袋を肩に担ぐようにぶら下げた。
胸を張って、少し大股で歩きながら、改札を抜けた。