「いってきまーす!」


ポケットのハンカチを確認していると、玄関から次男クンの声。


・・・・と、忘れ物をしたらしく、すぐに戻ってきた。


期せずして、次男クンと一緒に家を出ることになった。



いつもはiPodで音楽を聞いている次男クンも、気を遣っているのか、耳にイヤホンはない。


大学の授業の話などをしながら、二人で自宅前の公園を抜けていく。



公園を抜けた先の、長い階段を下り切ったところに駅前の横断歩道がある。


国道246にかかった横断歩道は、歩行者用の信号がとても短い。


二人で階段を下りている途中で、信号が黄色に変わるのが見えた。


どちらともなく、階段を下りるスピードが早くなる。


次男クンは、上半身の体重を下方向にかけ、前のめりにリズミカルに一段飛ばしで下りていく。


ぼくも一段飛ばしはしているが、足元がおぼつかないため、上半身が後からついてくる後のめりな感じ。


次男クンに遅れまいと横断歩道をダッシュして、彼の背中を追いかける。


そのままの勢いで改札を抜けると、ちょうど電車が到着する気配。


次男クンがチラと振り向くと、今度は階段を二段飛ばしでホームへ駈け上がっていく。


くそ、、、ぼくも負けじと一段飛ばしで追いすがる。



目の前で閉まるドア。。。


ドアの向こうでは、次男クンが涼しい顔でVサイン。。。


なんとも、切ない別れ。。。(苦笑)

今朝も各テレビ局の番組でやってましたね。


なでしこジャパン


出勤の支度をしながら、見てました。


和らいだ表情が素敵でした。どの選手もみんなとってもチャーミング。


で、あらためて思ったのでした。


彼女たちは、 『なでしこジャパン』 なのです。


“なでしこ” という呼称は公募で決まったそうですが、この愛称は変わりません。


なにを言いたいのかというと、、、


男子代表の場合、監督が変わるたびに呼称の “冠” も変わります。


トルシエジャパン、ジーコジャパン、オシムジャパン、岡田ジャパン、そして・・・ザックジャパン


『なでしこジャパン』 は、『なでしこジャパン』 であって、『佐々木ジャパン』 ではないんです。


そもそも代表チームは監督のものではありません。もちろん監督によって考え方や戦術は変わりますが。



インタビューで、佐々木監督が言っていました。


「このチームは自立したチームなんです」 と。


男子代表チームが自立していないということではないのですが、どうしても “冠” ありきになってしまう。


“選手ありき” が 『なでしこジャパン』 のチームとしての強さではないでしょうか。


それにしても、 “なでしこ” とは実にいい呼称をつけたものです。

リアルタイムで観ていた人ならば 立ち上がりの10分で愕然としたであろう。


「果たしてアメリカに何点取られるのだろうか」 と言うのが、正直な感想だったと思う。


ぼくみたいにずっとサッカーをやってきた人間がそう思うのだから、にわかファンは絶望したに違いない。


せめて1点差での敗北であれば、


“なでしこジャパン、アメリカに惜敗! 大健闘の銀!!”


という、新聞見出しもありかな、と思っていた。


がしかし、である。


アメリカのシュートがことごとくゴールポストに阻まれるたびに、「これはもしかすると」と思えてきた。


おそらく、勝利の女神は日本の方に顔を向けていたのだろう。


でも、まだ微笑んではいなかった。


気まぐれな勝利の女神は、次の瞬間、アメリカに微笑むやもしれない。


女神を微笑ませたのは、最後まで自分たちの勝利を疑わなかった、彼女たちの信じる心、だろう。


なぜ彼女たちはそこまで信じられるのか、なにが彼女たちをあきらめさせないのか。


いろんな媒体で彼女たちのこれまでの苦渋の道程を取り上げているが、おそらくその大変さは、


どれだけ文字や映像を尽くしても、ぼくたちが本当に理解することはないであろう。


先制され、追いつき、延長戦で引き離され、それでもまた追いつき。。。


ぼくたちはそれを奇跡と呼んでいるが、彼女たちにしてみればそれほど大袈裟なことではないのだろう。



PK戦に突入して、ぼくは日本の勝利を確信していた。


ここからは技術的な話になってしまうのですが、、、


日本のキーパー、海堀選手はキーパーとしては大きくない、むしろ小さい。


なので、蹴る側としてはゴールの上の方を狙いたいところ。


ただ、120分間走り抜いた後の疲労は相当なもので、ゴールの上を狙うのはすごく勇気がいるんです。


延長に入ってからのアメリカ選手のシュートは、ゴールのはるか上を越えていくのが多かった。


実際、PK戦で海堀選手が止めた2本は肩から下のシュート。外したのはゴールのはるか上。



 こんなはずじゃなかった・・・・。。。


アメリカの選手、アメリカのサポーターのため息が聞こえてきます。