A2リーグ第7節 忘れられない一局 | Mahjong SQUARE 飛蹄進軍!

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主に日本プロ麻雀連盟の対局や麻雀に関わることを書いていきます。

3回戦は、おそらく一生忘れられない対局となると思います。

 

東2局の親のリーチ。

もちろんメンホンを強く意識していたが、あまりにもアガリのフィニッシュラインが描きにくく、この待ちなら、と親権維持の意味合いで打ったリーチのみの手。

 

この手に、内川Pがまたもや見事な手順ですり抜け、押し返し、私から5200をあがります。

いまでもこのリーチは悪くない、と考えていますが、押し返されたこと→放銃は、点棒以上に精神的なダメージを受けます。

その後も、流局や放銃で点棒を減らし、うまくいかないあせりや披露が見えないところで蓄積

していたのかもしれません。

 

そして・・・

個人的には、過去10年で「最低」の局となってしまった悪夢の3回戦南1局1本場。

 

配牌が索子に大きく偏ったスーパー配牌!

その後もツモが効いてわずか3巡目でこの形!

 

いやがおうでも盛り上がります。

大チャンスです。

 

当然のことですが、チンイツの時は、「何が来たら何を切る、何待ちでテンパイ」という受け入れ、そして「何だったら鳴く」、「何だったら鳴かない」ということを事前に考えます。できれば2手先までは考えたいから、この時点で結構な数のチェック項目を「スキャンする」感じで整理します。

 

この手で、打五とした時点で、鳴くか鳴かないかに関しては

・7索→絶対鳴く

・4索、5索→うーん・・・でも鳴く

・2索、6索→鳴かない

と決めていました。

 

と同時にいつも通りノータイムでやらないといけません。

手に力が入ってはいけません。

頭はフル回転しながらも、心は落ち着けないといけない。

これこそが麻雀の難しいところであり、醍醐味でしょう。

 

そこで5巡目になりました。

私としては、ここは大事な局面です。

白を切るべきか、6筒を切るべきか・・・

思考すべき項目が、頭にぶわっと浮き上がってきます。

 

[6筒から切るメリット]

①3者に比較的平均的に安全な牌を残すことができる

[白から切るメリット]

②一色手であることを若干ぼかすことができる。

③親の完全安全牌ができる

[白から切るデメリット]

④対面と下家にとって危険な中張牌の無筋を手に抱える事になる。

 

これらを整理しないといけません。

特に④に関しての考察は、相手の手牌進行速度予測、打点予測、気配察知などの要素が絡むため、瞬時に行うのは難しいです。

でも、前述のとおり、ノータイムで行いたいのです。

 

正直、この時、親が6筒を切った直後にその6筒を持ってきたことが私にとって試練であり、敗着を打った要因の大きなひとつであると考えています。

私は上記の思考を瞬時にこなすことができず、体勢を崩しました。

これはまさに私の能力不足、鍛錬不足に他ならないと考えています。

そして、結果打、白を選択するのですが、その時に親の紺野Pが白をポンした、そのことにも対応できていませんでした。事前に想定できてなかったのです。そしてその結果、さらに体勢が崩れました。「よろめく」という表現がぴったりくるでしょうか。

 

そして、白をポンした紺野Pが打2索

この瞬間!!!嗚呼、この瞬間!!!!!!!!!!!

なぜか、この2索をチーしてしまったのです。

ペン7索のチンイツテンパイ。

人によっては鳴く方もいらっしゃるかもしれません。

その是非は私にはわかりません。

しかし、私にとっては「絶対に鳴かない部類」の牌であり、実際そう決めていたはずでした。

それなのに、それなのに、鳴いてしまったのです。

 

なぜなのでしょうか。

「魔が差した」としか言語としては表現できないのですが、チーと言ってしまった瞬間に、「やってしまった!?」と頭を揺さぶられる気持ちがしました。直後、下家のダンプPが5索をツモ切って、金属バットで殴られたような激痛がしました。

 

その後は「思考停止」でした。

 

インタビューでも言いましたが、「ああ、やってしまった」という後悔の気持ちだけがグルグルと頭の中を船酔いのように巡り、こんな「恥ずかしいチーが映像で残ってしまったんだな」とか

んて釈明しようか」など、「考えても意味のないこと」だけ、言い訳をするかのように頭に浮かんできて、そういう自分のことを客観視もできずに放心状態で、悩み苦しみ、打牌も遅くなり、模打を繰り返しました。

「後で廊下に立たされるんだろうな」という小学生の時に味わった恐怖の気持ちです。

 

あろうことか・・・

その後、6索を引いてきた時に、一気通貫への変化に気がつかない始末。

しかも、これは対局後まで気がつきませんでした。

これはいくらなんでもひどすぎます。

世が世なら打首獄門もののスーパー大チョンボです。

 

この局は結局親の紺野Pへ1500点を放銃しての終了となりました。

 

タラレバになってしまうし結果論ですが、2索を鳴かなければ、私は同巡5索を引いてメンチン三暗刻のペン7索テンパイ。

そこに内川Pが以下の手で7索がプラプラ浮いているところに、ドラの8筒が重なることになったはずです。

実際には、私が鳴いたため、ドラの8筒は重ならず、ホンイツをみていた内川Pは、6筒が場に急に並べられたこと、親と私が鳴いたことを受けて、この7索を捨てずにオリに回ります。

でも、ドラの8筒が重なっていて、私が鳴いてなければ、この手はどうでしょうか。

7索を捨てて、私が倍満をあがってた公算は非常に強いと考えています。

 

実は、この局が始まった瞬間に、音声に近くを通り過ぎる救急車の音が入りました。

そこで「救急車の音がww誰か飛ぶのかww?」というコメントが。

これは、内川Pの不運のものだったのかもしれないのを、私の大チョンボで私が救急車に運ばれるという予兆だったのかもしれません^^;

 

いずれにしても、冒頭に書いたとおり、私にとってはこの局は、過去10年で記憶にないくらいの大チョンボであると共に、陥ったことのない精神状態になった忘れられない出来事となりました。このようなことをしてしまい穴があったら入りたい恥ずかしい気持ちと視聴者の方々、対局相手の方々に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

大変申し訳ありませんでした。

 

しかし、やってしまったことは仕方がありません。

もう取り返しがつきません。

今後、少しでも取り返せるようにがんばるしかないでしょう。

 

「良い状態」のときは、自分だけでなく、相手が何を切る、何を鳴く、といったこと、というのがすべて想定している中で流れるように進行し、それに一体化できると考えています。

それができないのは、修練不足、であったり、コンディションが悪かったり、で、この部分こそがトレーニングで鍛える部分といえるのではないでしょうか。

私はほかの選手と比べて、この部分で特に劣っていると感じることが多いです。

 

これからも、ひとつひとつ、できることを頑張ってクリアしていくしかないのですね。

 

非常に長文で乱文のエントリーになってしまいましたが、自分への戒めとしてここに記し、また精進していく決意としたいと思います。