…別に使わなくなったからといって消す必要はないんじゃないかと思うわけですが。
いざというときに載ってなかったら困るんじゃないですか?
記事は↓こちら。
英国の新解さん「チェンバーズ英語辞典」編集者が語る(ロイター)
イアン・ブルックスさんは、「ズーズー」を絶滅の危機から救おうとしている。
ブルックスさんは熱心なモリバト保護運動家というわけではない。彼はチェンバーズ英語辞典の編集者なのだ。彼は8月に刊行が予定されている新版で、辞典から言葉が消えてしまわないよう努力している最中だ。
月曜日のロンドンブックフェアで、彼は「私たちは言葉を外してしまえという誘惑に抵抗しました」と語った。
そのほかにも、「jobernowl (のろま) 」、「logodaedalus (言葉巧みな人) 」、「incompossible(共存不可能)」、「supernaculum (最後の一滴まで)」などが保護対象となっている。現在ではあまり使われることが無く、一巻の辞書からは姿を消してしまう類の単語だ。
スコットランドで出版されているチェンバーズ英語辞典は、その個性的で歯切れのいいアプローチによって、パズル愛好者、物書き、言語好きの人々に支持されている。たとえば「エクレア」は、「細長い形のケーキだが持続時間は短い」など。
またブルックスさんは、古い建築や系譜学のブームが一般に広がっていることを証拠に、 文化に対する考古学的なアプローチにも市場価値があると判断した。
「私たちは一種の言葉の博物館を提供しようと決意したのです」とブルックスさんは言った。
確かに、流行り廃りのある言葉だと使わなくなるものもあるかもしれませんが…。
それでも、別に辞書からは消さなくてもいいんじゃないですか?
例えば消す対象の単語を集めた場合に1ページ分になるとして、その有無が売り上げを左右するほど大きなウェイトを占めているとは思えません。
むしろ、「掲載単語数○○○○○語」とかで売っている辞書からすれば、多ければ多いほどプラス要素だと思います。
増えこそすれ、減らす意味が解りません。
…これは日本人の考え方でしょうか?
たとえば広○苑とかだったりしたら、使わない単語を省いたらかなりコンパクトになるんじゃないですかね?(笑)
…ところで、タイトルにちらっと出てきた「新解さん」という単語。
かなり久々に聞きました。
『新明解国語辞典』のことですが、一時期話題になりました。
有名なのは「恋愛」という単語。
以下に抜粋します。
れんあい【恋愛】(第4版)
特定の異性に特別な愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる(まれにかなえられて歓喜する)状態。
やたら具体的です。
「出来るなら合体したいという気持ち」
「常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる(まれにかなえられて歓喜する)状態」
これは紛れもなく恋愛です。
かなりドラマチックですが。
ただし、これは「第4版」の内容。
これが「第5版」になるとまた変わってきます。
(ワタシは「第5版」の方を持っています)
れんあい【恋愛】(第5版)
特定の異性に特別の愛情をいだき、高揚した気分で、二人だけで一緒に居たい、精神的な一体感を分かち合いたい、出来るなら肉体的な一体感も得たいと願いながら、常にはかなえられないで、やるせない思いに駆られたり、まれにかなえられて歓喜したりする状態に身を置くこと。
…若干ソフトな言い回しになっています。
「合体」がダメだったのかもしれません。
ただし、意味することは「第4版」とほぼ一緒です(笑)
語尾が「状態」ではなく「状態に身を置くこと」となっているのが最も大きな違いでしょうか。
ワタシとしては、意味は「第4版」、語尾は「第5版」が正しいんじゃないかと思っています。
ちなみに、「合体」という単語について。
がったい【合体】
①起源・由来の違うものが新しい理念の下に一体となって何かを運営すること。
②「性交」の、この辞書でのえんきょく表現。(第4版)
「この辞書での」ってオイ。
辞書でそういう表現を作るなという感じです。
「合体」という表現がマズかったんじゃなく、この部分が引っかかったんじゃないかという。
また、こんなのもあります。
ばか【馬鹿】
記憶力・理解力の鈍さが常識を超える様子。また、そうとしか言いようの無い人。〔人をののしる時に最も普通に使うが、公の席で使うと刺激が強過ぎることが有る。…〕
ばかばか【馬鹿馬鹿】 女性語で、相手に甘える時の言い方。
「人をののしる時に最も普通に使う」というのも気になりますが、注目すべきは言うまでもなく「馬鹿馬鹿」の方。
今時こんなことを言う奴はいません(笑)
妄想爆発という感じです。
最後にもうひとつだけ紹介。
はまぐり【蛤】 〔浜栗の意〕
遠浅の海にすむ二枚貝の一種。食べる貝として、最も普通で、おいしい。殻はなめらか。〔マルスダレガイ科〕 [数え方] 1枚 (第5版)
「馬鹿」の時も出てきましたが、「最も普通」って誰が基準やねんという。
また「おいしい」などという、個人の感想が多く含まれるのもこの辞書の特徴です。そんなんでいいのか。
「数え方」とかもなかなかいい味出してます。「火炎瓶」の数え方も載ってたり。「1本」とか。
見所満載の『新明解国語辞典』(今は「第6版」が発行されています)、一度読んでみてはいかがでしょう?
(「引く辞書」ではなく「読む辞書」と言われています)