聞こえないパフォーマー・もりおか見帆
こんにちは、
生け花作家のもりおか見帆です。
実は、今日の習作には「没」になった作品があります。
ひどく疲れていて、心が思うように動かない。
それでも花と向き合ったけれど、
生まれたのは、
自分でも見せられないと感じる、
息苦しい作品でした。
時間だけが過ぎていき、
「もう今日はダメかもしれない…」
とさえ思いました。
それでも諦めきれず、
気持ちを切り替えて
花器を変えて、もう一度挑戦。
でも、やっぱりどこかしっくりこない。
心が躍らない・・・。
「もっと良くしたい」
その一心で、
客観的な視点が欲しくて少し調べてみました。
ヒントは
「空間(間)を活かすこと」。
思い切って、中央にあった葉を
少しだけ間引いてみると…。
そこに、ふっと風が通るような、
軽やかな空気が生まれました。
そして、ふと
「ここに、空へ向かうような伸びやかな線が欲しい」と感じ、
パンパスグラス を手に取りました。
これはもう直感。
今の私が求めている
「突き抜けるような何か」を、
この白い穂先が表現してくれる気がして。
そうして完成したのが、
こちらの作品です。
あの息苦しさから解放された瞬間、
心がスッキリしていくのが分かりました。
中央に生まれた空間、
そして高く伸びるパンパスが、
最初の窮屈だった気持ちを解き放ち、
大きな広がりを与えてくれました。
ただ花を生けるだけでなく、
自分の心と向き合い、対話する。
生け花は、
まさにその時の心を映す鏡なのだと、
改めて深く感じた一日でした。
最後に、
作品を彩ってくれた花材たちをご紹介します。
蘇鉄(そてつ)ドライフラワー
ドラセナ(茶)
鶏頭(けいとう)
菊(黄)
ソリダコ
グロリオサ(黄)
パンパスグラス ドライフラワー
ユーカリ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品について、もし何か感じることがあれば、
ぜひコメント欄で教えてくださいね