僕以外の営業が朝から外回りに出ると

始まる事務さんの声。

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退職者が重なって事務の人数減って

事務の仕事めちゃくちゃ増えてるのに

なんで営業はさっさと外回りに行くの?

 

それでいて外出先から電話で、これお願い、

あれお願いの連絡まで来る。

 

お客様からの電話の方がよっぽど楽。

 

営業からのあれやっといて電話の方がめんどくさい。

自分の担当するお客様なんだから自分でやってほしい

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ここまでやって私ってこの会社で評価されてるの?

都合よく使われているだけなんじゃないか?

ていうかそもそも評価基準を知らないんですけど

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事務さんにそういう感情が生まれるのも当然だと思った。

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僕は僕で上司からは早く外回り行ってこいと

せっつかれる。

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自分の営業所が大変な状況なのだから

少しでも手伝おうと思うのが

普通の感覚だと思っていた。

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でもそれは普通じゃないという。

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改めて考えてみてもやっぱりわからない。

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でも、今はその時に経験した事務の仕事が

役に立っている。

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事務のスキルもそうだけど

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相手の気持ちを推しはかることが

できるようになったことが

何より大きいと思っている。

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生き方もそう。

自分の普通を誰かに押し付けるでもなく

自分の普通を大切にするのも大事だと思った。

 

お互い相手のことを思いやり過ごしていきたい

 

 

 

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【決めたこと】

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仕事が終わり、少し駅から離れたところに

小さい川が流れていた。

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そこの川べりに座ってラジオを聴く。

その時間がすごくホッとした時間だった。

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この後1時間ほど帰宅ラッシュに乗ると

思うとげんなりした。

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でも、そのラジオを聴いていると

なんとか1時間のラッシュも耐えられた

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家に着くとぐったりで食事もあまり

進まなかった。

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また明日も同じことを繰り返すのかと思うと

これでいいのか?と考えてしまう。

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どの会社でも同じことの繰り返し、

みんな我慢してやっているように見えた。

幸い残業代は出る会社だったので

長い時間残業すればそれなりに収入は増えた。

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世の中そんなもんで、みんなそうやって生きてるから

僕もそうなろうと思ったけど

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もうその頃はお金がもらえるから

頑張ろうという気持ちが起きなかった。

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ただ早く帰りたい、その気持ちが一番だった。

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みんながなんでそんなに頑張れるのか

全く理解できなかった。

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いつか自分で自分を痛み続ける人生からお別れしたいと

その川べりで強く思った。

 

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一時、システム系の仕事についていたことがあった。
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当時はもう僕自身が何もやる気がなくて
マニュアル通り、時間になったらチェック項目を
見に行っていればいい仕事に就いていた。
確かにその仕事は楽だった。
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でもそれも3ヶ月で終わった。
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来月のシフト表に夜勤の仕事が
当たり前のように入っていた。
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夜勤はないって聞いてたのに?
担当者に確認したら、

夜勤があるのを知らなかった。

と言われ話し合いにもならず。
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まあ、しょうがない夜勤やれば
少しは給料増えるだろうと思って
かなり無理をしてやっていた。
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休み時間は2時間あると言われても
携帯は常に身につけて電話が鳴ったら
すぐ現地に行く。
結局休めない。

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そんな1ヶ月を過ぎて
給与明細を見たら今までと同金額。
さすがにそりゃないだろうと
担当に連絡。
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深夜手当は法律に則って払っている。
だから休みも多い。
労働時間は変わっていないから、と。
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夜勤手当は会社が任意でつけているだけで
うちではそれは就業規則にないから、と。
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深夜に1人で全部処理しないといけない不安。
何があっても聞く人がいない、、
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それでいて休憩も多いと言われても
ちょこちょこ携帯に連絡が
あるのでほとんど休憩がとれない。

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いつの間にか体のリズムがおかしくなった。
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人間、本当に睡眠が大事。
今までできたこともできなくなってきた。
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結局、体がきつくて辞めた。
睡眠外来みたいなとこに行っても
2、3ヶ月すれば元に戻りますと言われたけど、

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僕の場合は4、5年くらい戻らなかった。
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夜寝て朝起きる。
こんな普通のことができるように
こんなに時間がかかった。
多くの人は2、3ヶ月で戻る人が多いのだろう。
だけど、僕はそうじゃなかった。
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増えもしないお金のために自分の体を大切に
しなかったのは本当にバカだと思う。

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過去の文句を言ってもしょうがない。
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そのおかげで、少しずつ自分に合う
仕事がわかってきたことだけがよかったことだ。
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自分の体と心を大事にしようと思うように
強く思った。


そして、変えられるのならば、苦手なことは誰かに変わってもらえないか相談してみるといいと思う。

 

 

好きだったコーヒーがその時間だけは
全く美味しく感じない。ただの黒い飲み物
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いつも会社に行く前に会社に行きたくないので
近くのコーヒー屋さんで始業までの時間を
潰していた。
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会社都合で工場の仕事をすることになり
腱鞘炎などを起こしていた。


医者からはやめない限りずっと治らない
と言われた。


工場で働いて、物を作るのが好きな人は
いいと思う。指が変形していても
それが勲章だと感じる人もいるのはわかる。
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でも僕はそれを欲しいとは思わなかった。
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時間が経つのが遅く感じられて
時計を見ても5分も過ぎてない、、
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昼休みは会社支給の弁当。
全く美味しいと感じられないし
胃が受け付けてなくて
残してばっかりだった。
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好きでもない仕事をお金のためとも割り切れず
こんなとこで何やってんだろ?

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この会社に入る前から数えたら
この言葉たちはこれまで頭の中で


何回言い続けてきたんだろうか?
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だけど、ㅤㅤ
今までやってきたように転職サイトばかり見て
今度は工場がない会社ならもうどこでもいい。
そんなふうに思って探していた。
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そんな気持ちで探していたので
再就職先は意外と早く決められて、
やっと解放される。


ただそれだけで嬉しいとか期待とか
全く湧いてこなかった。

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あの頃の僕が今やっていることを
知ったらびっくりすると思う。
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僕は何か秀でたものがあって実績を残して
会社勤めを辞めたわけじゃない。

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実際に起業している人を見ていると
僕のようなタイプで起業している人を知らない。
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本当に小さなことをただただ続けてきただけで
なんとか生活できるようにはなった。

仕事を依頼してくれるのもそうだし


何より周りのみんな本当に優しかった。
それが嬉しかった。

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今はコーヒーもご飯も美味しい。