今回からは、「慈悲の瞑想」と「四無量心」について、書いていきたいと思います。
「四無量心〔シムリョウシン〕」(チャトゥ・アッパマンニャー・チッタ)とは、仏教で説く、”愛”、”優しさ”のことです。優しい心を4つに分けて説明していて、それらをまとめて四無量心と呼んでいます。
慈〔ジ〕(メッター)、悲〔ヒ〕(カルナー)、喜〔キ〕(ムディター)、捨〔シャ〕(ウペッカー)の4つです。それぞれについての説明は、後述します。
「慈悲の瞑想〔ジヒノメイソウ〕」(メッタ・バーワナー)とは、四無量心を育てるための、心のトレーニング方法、瞑想〔メイソウ〕のことです。
慈悲の瞑想は、以前に八正道のところで紹介したサマタ瞑想の一つでもあります。
サマタ瞑想とは、精神を統一させるための瞑想です。サマーディ(禅定)という精神統一状態をつくるための実践です。
この実践をすると、いろいろな雑念から離れ、集中力がつき、心が鎮まり、高度な観察力を得て智慧を発揮し、真理を見極めて悟り、涅槃〔ネハン〕・解脱〔ゲダツ〕に至る、というとても重要なものです。
慈悲喜捨〔ジヒキシャ〕を1つずつ、ごく簡単に説明しましょう。
「慈」(メッター):友情のような優しさ、と説かれています。友人に対して抱くような、「幸福であれ」という気持ちです。
「悲」(カルナー):苦しみを取り除こうという優しさ。苦しんでいる他者の苦しみがなくなることを願う気持ちです。
「喜」(ムディター):他者の幸福を共に喜ぶ優しさ。人が何か成功したり上手くいったりした時、嫉妬するのでなく、自分のことのように喜ぶ気持ちです。
「捨」(ウペッカー):冷静な心に基づく平等な心の優しさ。平等に冷静に、客観的に状況をよく理解して、全員に対して公平に平等に抱く優しい気持ちです。他者同士が争っていたら、どちらの見方もすることなく、冷静に優しく見守る気持ちです。
次回は、慈悲の瞑想の具体的な方法をご紹介したいと思います。
ありがとうございました。