キッドさんの味わい~「僕の好きな職人レスラー」&「王道プロレスとストロングスタイルと」レビュー~ | ジャスト日本のプロレス考察日誌

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Twitterでお世話になっているRNダイナマイト・キッドさん(以下・キッドさん)は「小説家になろう」というサイトでエッセイを執筆されています。

私はたまにキッドさんにエッセイで取り上げるテーマをリクエストすることがあります。

今回、キッドさんに二つのテーマをリクエストしました。

「好きな職人レスラー」
「王道プロレスとストロングスタイル」

キッドさん、二つをテーマしたエッセイを書いてくださいました。今回はそのレビュー記事を書くことにします。

まずは「好きな職人レスラー」。


これはこの記事だけではない感想です。キッドさんは元々闘龍門に入門したことがあるプロレスラーの卵でした。しかし、プロレスラーになれなかったという過去があります。恐らくそんな自分がプロレスについて語るということに恐縮していたり慎重になっていたりするスタンスだと思うんですよ。

それとプロレスが好きだけど、それを他人と分かち合うことが少し苦手という印象もあります。だからキッドさんが書くプロレス記事はまず、「自分みたいなものがプロレスを書いてすいません」という一種の腰の低さが伝わるんです。昔、闘龍門のタイトルマッチで認定証を代読した大のプロレスファンの博多大吉さんが「僕みたいなものが認定証を読んで失礼します」と言っていたことがありましたが、それを文章表現しているよなと感じたんです。

この記事で特に心に響いたのはキッドさんが闘龍門校長ウルティモ・ドラゴン選手から言われた言葉です。

「俺はプロレスやってれば幸せなんだ。君たちも自分の個性を見つけて居場所を作るんだ。小さくても弱くてもいい、どんな形でもプロレスやりたいなら自分で自分の隙間を作ることだ」

恐らくこの言葉に闘龍門出身のレスラーが多く誕生して名レスラーが生まれた秘訣があるのかもしれません。野球で例えると主砲だけではなく、一番から九番の打順の役割、代打や代走など様々なポジションのプロがいて、各々に合ったポジションにうまくシフトさせていくわけですよ。ウルティモ選手はやっぱり名伯楽ですね。

そしてキッドさんが紹介した職人レスラー・松山勘十郎選手は、本当に誰と試合をしてもプロレスとして成立させられるプロレスラーです!

素晴らしい記事でした。

さて、二つ目のテーマが「王道プロレスとストロングスタイル」。


このテーマは答えを出すのは簡単なようでむずかしく面倒なものです。「プロレスは底が丸見えの底無し沼」と呼ばれますが、この王道プロレス、ストロングスタイルという二つの概念も、底無し沼のように奥が深く、答えが出にくいものではないでしょうか。

でも私はこのテーマをキッドさんにお願いした。なぜかこの難題にどう挑まれるのか、どう受け止めるのかというアティチュードが見たかったですし、どうお考えなのかを知りたかったんです。

その答えはこちらの記事を読んでいただければありがたいです!めちゃくちゃ興味深かったです。

キッドさんの記事を読んで、王道プロレスとストロングスタイルというのは、日本プロレス界というひとつの車における両輪なのだろうなぁと感じました。その両輪があって、両輪がうまく稼働したり、車輪のメンテナンスをしてきたからこそ、今日の日本プロレス界が存在しているということです。

やっぱりキッドさんのプロレス記事は面白いと感じた次第です。

さて、キッドさんの文章の凄さ。それは俯瞰性と堅苦しくない文章表現、謙虚さだと思います。

時にはテーマによってアバンギャルドなものがあったり、お堅いテーマがあったとしても、キッドさんの文章表現はあまりブレないと思うんです。

まるで友達に語り合うかのような分かりやすい文章表現を挟みながら、本筋を描く。それが私にとってのキッドさんの味わいなんです。

私もプロレスブロガーとして活動して、電子書籍を出したりして、如何に自分らしい、自分の色を出せる文章表現ができるのかというのは常に思案しています。

本当に難しいんですよ、文章表現って。

でもキッドさんは仮に記名しないで文章を書いたとしても、この方の文章を読み慣れている人なら、「これはキッドさんの文章だ!」という特色が出ているんです。

先程を書きましたが、私にとってキッドさんは文章界の博多大吉さん。大吉さんって謙虚で人柄もよくて人格者ですよね、その一方で結構毒も強いんです。つまり毒と謙虚を使いこなして芸能界で生き抜いているんです。キッドさんもこの毒と謙虚という二つの武器に、キッドさんらしさでもある俯瞰性があるからこそ、キッドさんの文章は味わいが深いオリジナルなのだと思います。ちなみにそこに下世話な話になっても、不快にはさせないというのもキッドさんの味わいだと思います。

キッドさん、私がリクエストした二つのテーマを書いてくださりありがとうございました!