緑の虎は死して神話を遺す
平成のプロレス王・俺達の三沢光晴物語
おわりに
~永遠に続く「三沢光晴」を追い求める心の巡礼~
プロレスラー三沢光晴が逝去して5年後の2014年6月。彼の足跡と生き様を後世に残したいという一念から奮起しTwitterやブログで連載を始めたのが、『緑の虎は死して神話を遺す』。
2014年に連載させていただいた記事を一部修正を加えて2021年に再度更新させていただいたとのである。
今や彼をリアルタイムで知らないプロレスファンも増えてきている。
そしてこれから彼を知ることになる未来のプロレスファンも登場することだろう。
この三沢連載は、彼のファン向けというより、彼を知らない皆さんに「三沢光晴」を知ってもらうためのきっかけになればいい。
今現在、1年後、5年後、10年後のことを考えて私はこの連載に力を入れていた。
私にとって「三沢光晴」は特別な存在だった。
プロレスをもっと好きになることができた恩人と言っていい。
少年時代の私にとって彼は、ヒーローであり誇りだった。
それは亡くなるまで変わることはなかった。
だから亡くなったときは、自分の身内を失ったような気分だった。
いつか心の清算をしなければいけなかった。
いつか私の心の中にある彼に対する想いを文章という形で表現したい。
しかしそれができる自信がなかった。
だから書きたい気持ちをずっと抑えてきたのだ。
2014年、ひょんなきっかけからTwitterやブログをやることになり、いつか「三沢光晴」について書きたいという気持ちは強くなる。せっかく書くのだから、中途半端な形でなく、デビューから亡くなるまでの28年間のプロレス人生を綴りたくなってきた。
そして、「三沢光晴」を追い求める私の心の巡礼が始まる。
心の巡礼を進めると、この連載を読んでくれた方から、「感動しました」、「泣きました」という声をいただくようになった。正直嬉しいと同時に驚いた。
そのような声をいただけるとは予想だにしていなかったからだ。
三沢連載を始めて本当によかったと実感した忘れられない出来事だった。
『緑の虎は死して神話を遺す』はこの回で完結する。
分かっていたことだが、彼を追い求める心の巡礼は、三沢連載終了後も終わらない。
彼のプロレスを触れたファンの心に「三沢光晴」は今も生きている。
永久の英雄となった「三沢光晴」には今後も我々の心を離すことはないだろう。
そして、これから彼のプロレスに触れる皆さんにこう言いたい。
ようこそ、不世出のプロレスラー「三沢光晴」の世界へ…
(緑の虎は死して神話を遺す 完)