黒柳徹子さんが、テレビに出ていて、こんな事をおっしゃっていた。
「いい恋をすると、一生涯それだけでいける。その人が生きていてもいなくても…」
そんなものなのかなぁ…
そんな風に達観出来るかなぁ…
と、思ったが
二回り下の彼と会わなくなって
かれこれ8年ほど
一回り下の彼と会わなくなって
6年ほどになる。
私の年齢だとほんの昨日の事のようにも思えるが
20代、30代の6~8年は長い。
その間に沢山の人と出逢い、別れて
目眩くような経験をした事だろう。
ほんの一時、共に過ごした歳の離れた女の事など
すっかり忘れ去って、色褪せた屑ごみのように記憶の片隅に追いやられてしまっている事だろう。
会いたいと思っても、老いを感じた50女が望むべくもない。
それは仕方がない事であるし、そこに抗う気持ちはない。
でも
私の記憶の中にある彼らは、なんと瑞々しく、美しく、色っぽい事か。
あんな素敵な男の子達と、私は
並んで歩き
顔を見上げ
瞳をあわせ
その瞳の揺れの一つも見逃すまいと見つめていた。
そして、あの時彼らと過ごした時間は
紛れもなく、この世にあったもので
あの時起きた一つ一つを思い浮かべると
私の心は、真ん中からあたたかくなって
そのぬくもりは、じんわりと、外へ向かって伝わり
冷えた指先までもあたためてくれる。
私の経験した事は
ほんの細やかな事だったけど
私にとって
いい恋だったのだろうか
こんな風に
思い出を抱き締めて
それを思い出しては
心を暖める
そんな風にして、この先も
生きて行けるのだろうか。