私は愚鈍だ。
子供の頃から生きづらさを感じていた。

学校の成績は悪くなかった。
運動も出来た。
成長するにつれ登り詰めて行き、いつの間にか出来る人達の間に身を置くようになった。

大学迄はまだ良かった。
個性で嗤われているだけだった。
社会に出て私の欠陥はとたんに露呈する。

記憶が苦手で人の名前が覚えられない。
取り敢えず必要な事をすべきなところで繋がりを考えて手が止まる。

社会では競争に乗り遅れた者は弾かれて打ち捨てられる。
手薬煉を引いた者達の格好の餌食になった。

頑張っても、頑張っても、勉強に勉強を重ねても、次々と叩く者が現れる。

弱い者を叩くのは信義に悖る。
勢いボロボロになるまで叩かれるがままになる。


あと、生きたところで三十有余年
天国に入るまでそう間は無い。
人の世ではふさわしい生き方は出来ずとも
天国の扉の前では澄んだ瞳で立っていたい。

馬鹿にしたい者は馬鹿にすれば良い。
私にはもう時間は無いのだ。
もう、もう…好き勝手に生きさせて貰おう。



友がみな われよりえらく 見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻としたしむ

石川啄木