通称、「多摩上(タマジョウ)」
2011.09.28 9:30-10:45
【流域の特徴】上下水道は、基本的に市町村が運営するものであるが、「流域下水道制度」というものがあり、より広域で管理を行っている地域がある。各都道府県で少なくとも1つ以上ある、全国に広まっている制度。国土交通省が音頭をとっている。この制度では、太い管や下水処理場は一括して運営し、細かな下水管は各市町村が管理する。多摩流域では2町6市の9,899ha、248,200m3/dの規模。7箇所の下水処理場がある。この他に、市が単独で運営している下水処理場がある。東京区部では細かい下水管を含めて東京都下水道局が運営。多摩川の水は、羽村取水堰で8割が水道水源として取水される。多摩川中流域の5割は下水処理水。
【分流管】多摩地域は雨水と下水を分ける分流管となっている。有明地区も同様だが、東京の多くは雨水と下水が混ざる合流管。しかし、雨が降ると明らかに下水流入量が増加する。明確な理由はよくわかっていない。
【施設の特徴】ポンプは一箇所。沈砂池から上げる。あとは自然流下。多摩川を挟んで、多摩川上流水再生センターと八王子水再生センターの2つの施設がある。これらは、汚泥管、下水処理管、ネットワークなどで多摩川の地下で結ばれている。八王子水再生センターは、地元要望でかなり低い建物。多くは地下に建設されている。有明水再生センターでは、さらにすべてが地下施設。一方、芝浦、三河島は昔ながらの施設。
【計測データ】いろんな計測データは監視制御室に集められている。データは、残してあるものも、容量の都合で消去してしまったものもある。環境系の研究者がデータ提供を申し出ることもある。基本的に提供している。先日は東工大の研究室から、下水処理水の温度変化のデータ提供の依頼があった。
【処理水の再利用】玉川上水、野火止用水、千川上水の清流復活事業を行っている。下水処理量150,000t/dのうち、24,000t/dを使っている。その他、高度処理水した水を使ったミニ水族館が施設内にある。
【焼却施設】焼却施設3機。最も大きい1号機が主に使われている。汚泥は遠心脱水機で含水率75%(粘土程度)にして、焼却される。焼却灰の処理が、やはり問題になっている。建屋の高さが低い八王子水再生センターは、外観からは焼却施設があるように見えなかったが、これも地下に建設されているとのこと。地元要望とはいえ、地下にこれらの施設を建設するのは、環境にとってよいのかどうか疑問を感じた。
【A2O法(Anaerobic Anoxic Oxic)】特にA2O法を詳しく知りたいと、見学予約の際に依頼した。A2O法によって、N(窒素)とP(リン)を除去する。A2O法は、
(1)化合物含めて酸素がない「嫌気槽」
(2)分子としての酸素がない(NO3-という形では存在)「無酸素槽」
(3)空気を送り込んで酸素が豊富な「好気槽」
の3段から構成される。それぞれの槽の大きさはどの程度が適当かは、明確にわかっていない。
Nの除去原理:
下水のNはNH4+の形で入ってくる。
これを空気を注入する「好気槽」にて、バクテリアによってNO3-にする。
さらに無酸素槽に戻して、別のバクテリアによってN2を発生させる(酸素はバクテリアが取り込む)。
Pの除去原理:
「嫌気槽」でPを放出するバクテリアが、
「好気槽」で、放出した量よりも過剰にPを吸収する。
これらのバクテリアは焼却処理される。また、従来の下水処理のバクテリアによる有機物分解は、別のプロセスではなく、上記のA2O法の槽にて同時に行われる。
