長期金利は、 国や企業が比較的長期のお金を借りるときの金利水準で、日本では、最も取引量が多く、市場参加者の期待を反映しやすい「新発10年物国債の利回り」が代表的な指標として使われます。国債の利回りを指標とする理由は、国債が市場で売買され、その価格が変動するためで、国債の価格が下がると、投資家にとっての利回りが相対的に高くなるため、長期の貸借における実質的な金利と見なされるからです。短期金利は日銀の政策金利に連動しますが、長期金利は経済見込みや物価の変動といった市場予測を反映するのが特徴で、「経済の体温計」とも称されます。国内外の物価が上昇する中、海外の金利は高止まりし、日銀がマイナス金利を解除して金融政策の正常化を進め、国債の買入れ額を減らす方針を示したこともあって日本の長期金利は上昇基調にあり、銀行の預金金利引き上げや生命保険の保険料が割安になる可能性がある一方で、企業の借入コストや個人のローン負担が増加し、設備投資や住宅の新築件数が減少し景気の減速を招く恐れもあります。こうした中で、9月1日の東京債券市場で、長期金利の指標である新発10年物国債の利回りが上昇し、1996年9月以来30年ぶりに3.0%の大台を突破しました。イラン紛争の長期化で原油価格が高止まりしている最中に、日本の2027年度予算の概算要求総額が過去最高にまで膨らんだことが金利の上昇圧力になっているとの観測も根強くあり、消費税率引き下げの閣議決定や日銀の政策金利引き上げが更なる国債売り・長期金利上昇を招くのではないかと危惧するところです。