高市首相が衆議院予算委員会で立憲民主党の衆議院議員の質疑で、中国が武力によって台湾を支配しようとした場合に日本が軍事的に対応する可能性に言及したが、この発言以降、在日中国大使館の大阪総領事のSNS投稿をはじめ中国政府による経済的圧力や日本への渡航制限など、日本に対する外交圧力を高めていることは極めて残念な事象です。

 マスコミは連日、「高市首相の国会答弁に端を発した」と形容して、中国政府の動向をセンセーショナルに報道しますが、この近年、中国が台湾周辺を含む地域で軍事活動を強化し、尖閣へのアプローチなど日本の安全保障環境が大きく変化していることを考えると、中国の台湾への軍事対応事態に際して、日本が国家の主権を守るための備えに言及することは総理として当然のことと考えますが、予期することとは言え特定の事態への具体的な例示が中国を刺激したことは事実です。

 現下の世界情勢は、中国や北朝鮮をはじめ核兵器やミサイル、無人機などの開発が著しく進行しており、ウクライナや中東のみならず世界各地で軍事的な衝突が生じており、国家の安全と平和を維持するために一定の実力組織である軍隊を編成することは独立国として当然の責務であり、指揮権を持つ総理大臣が有事の軍事力行使の可能性を全面否定することなど有り得ないことは明白です。

 今回の事象は、閣僚経験を有する民主党国会議員がその国家の存立危機事態の具体事例について繰り返し質疑を行い、答弁を「不適切、撤回せよ」と迫る様がマスコミに大きく取り上げられたことに端を発したものであり、国益を顧みない軽率な発言の責任が一体どこにあり、無責任極まる政党および議員の国益を害する行為・発言は糾弾されてしかるべきと思います。