7月3日、第27回参議院通常選挙が公示されました。今回の選挙は、昨秋の総選挙で大敗した自民・公明の連立与党の生命線である参議院の過半数を死守できるか否かが焦点であり、国政の行方を決定づけると言っても過言ではなく、自民党が鳥取、島根合区選挙区に公認・擁立した出川桃子候補の勝利は絶対の要件です。国政に関わる問題は、不安定な国際情勢に対する備えをどうするのかに始まり、東京一極集中の是正や少子高齢化による人口減少対策、コメに象徴される農林水産業の価格支持、医療・福祉・介護・子育てなどのシステム維持など多岐にわたりますが、さきの総選挙の争点は「政治とカネ」「裏金」、今回の争点は「物価高騰対策」に矮小化され、減税や給付など目先の言論が目立ちます。日本はリーマンショックから一貫した通貨供給によって金利を抑制し、物価は安定してきましたが、その反面、急速に肥大化する世界経済の流れに遅れた観があり、国政の争点ですから、「給付か分配か」ではなく「成長か停滞か」の政策転換を争点にしてほしいところです。いまひとつ残念なことは、今回の選挙も島根県と鳥取県、徳島県と高知県の『合区』が継続となりました。 2015年に公職選挙法が改正され、合区が導入されてから10年が経過しました。日本の国会は衆議院、参議院の2院制で構成されており、衆議院に内閣、予算の優越が規定され、国政の枢要な事項について解散総選挙で民意を問うことが可能とされているのは、権力の行使に関わる問題を扱う権能があるからです。一方、参議院の任期が6年とされ、選出区分が地方代表と全国代表とされているのは、国政に多様な意見を反映させるためであるからで、参議院の地方代表が地方自治の単位である都道府県から選出されることはきわめて合理的であり、都道府県の人口を基準に定数を云々することは2院制の本旨に反すると言わざるを得ません。