衆議院島根1区の補欠選挙が告示され、4月28日の投票日まで13日間の選挙戦が始まりました。補欠選挙は「死亡や辞職で欠けた議員の代わりを選ぶもの」で、政権党(内閣総理大臣を輩出する政党)を選ぶ通常選挙とは異なります。マスコミは今回の選挙について「政治とカネの問題」を最大の争点に掲げ、「岸田内閣の命運を決する」と囃しますが、衆議院の在籍議員数462のうち与党の議席数は291(自民党259、公明党32)で、補選で与党が全敗しても国会の構成に影響はなく、解散・総選挙の時期が先送りされるだけです。とは言え、昨秋からの派閥による不適切な政治資金の処理は断罪すべき問題であり、かかわった議員すべてが何らかのペナルティを受けることは当然ですが、必ずしもそうなっておらず、自民党は政治不信を招いた事実を党としてどのように払拭していくのかを早期に明示しなければ信頼回復は難しく、選挙の惨敗は必至の様相です。さて、島根1区補選は自民党の錦織功政(にしこりのりまさ)さんと立憲民主党の亀井亜紀子(かめいあきこ)さんの一騎打ちの様相ですが、政治の刷新には柵(しがらみ)や既成勢力との関わりの無い新人がその任に相応しいと思います。4月16日、出雲市平田町のラピタ平田店前での街頭演説には小渕優子自民党選対委員長や飯塚俊之出雲市長、高見康裕衆議院議員らが激励に駆けつけ、400人を超える聴衆を前にした錦織功政候補は「故郷のために自分の残りの人生を捧げる覚悟」と力強く挨拶しました。