2月17日、出雲大社で今年の五穀豊穣を祈る「祈穀祭」が執り行われました。雲一つない澄み渡る晴天の下で行われたこの日の神事は、午前10時に本殿の御扉が開かれ、12台の神饌が供奉された神前で千家尊祐宮司が五穀豊穣、諸業興隆、社会安寧の祝詞を読み上げ、出雲国造家をはじめ園山繁島根県議会議長など参列者の代表が玉串を奉奠しました。出雲大社の祈穀祭は、大祭礼、献穀祭と並ぶ「三大祭式」に位置付けられていますが、一般的には「祈年祭(きねんさい)」と呼ばれる神事で、7世紀後半から五穀豊穣と国家の安寧を祈願する国家的行事として斎行され、現在も全国の神社で「祈年(としごい)の祭り」として祭祀が引き継がれています。祈穀祭を主宰した出雲大社の平岡禰宜は、「まもなく二十四節気の『雨水』で、空から降るものが雪から雨に変わり、雪が溶け始め、草木が芽生える頃となる。鉛色の空が続いた山陰の冬も陽光が少しずつ長く、明るくなり、三寒四温を繰り返しながら、だんだん暖かな日が多くなり、田畑の耕作の準備を始める時期を迎えるが、本日の祭典は人々の生活に不可欠な生業全般が澱みなく、順調に推移するよう祈念する大切な機会で、大神に順調な生産活動と皆様の息災をお祈りしました」と挨拶しました。