令和6年は十干十二支の「甲辰」で、「これまでの努力が花を咲かせ実を結ぶ」とされているが、元日の能登半島大地震に続いて日航機の衝突炎上、北九州市の鳥町食道街の火事と惨事続きの年明けとなった。お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げ、1日も早い復旧・復興を祈るばかりである。

 昨年の島根県政を振り返ると、春の統一選で丸山知事が再選され、県議会では9名の新人議員を迎え、6選を果たした小生が第80代の議長に選出された。夏には、度重なる線状降水帯による大雨で、県東部を中心に、道路・河川・農地などに多くの被害が発生し、記録的な猛暑に見舞われ、コメや園芸作物の生産に影響が生じるなど、改めて、近年の異常気象を実感させられた。

 4年目に入ったコロナ禍は、法的な位置づけが変更され、新たなステージに移行し、社会経済活動が徐々に平常化しつつあるものの、エネルギー価格や諸物価の高騰によって実質賃金は減少を続けており、大企業を中心とする価格転嫁の波が県内の中小企業や農林漁業者の経営や生産活動を厳しい状況にしており、先行きを極めて不透明なものにしている。

 政府は、デフレからの完全脱却を図るとして、これまでの「コストカット重視の経済」から「成長型経済」への転換図るとしているが、コロナ、円安、ウクライナ問題など、予期せざる事態の発生は少子化に拍車をかけるかたちとなっており、本県では自然減の拡大によりわずか1年3か月で1万人の人口減が生じ、昨年9月の推計人口は65万人を割り込んだ。

 今こそ、知事を先頭に英知を集め、人口減少に抗う取組みを伸展させ、少子化・過疎化の悪循環を食い止める政策を粘り強く進め、『島根創生』の実現に向けて邁進することが県政に課せられた使命であり、小生は、そのキーワードを「できない理由を探さない」として、県政に取り組むすべての関係者に流布する1年とする覚悟である。