大相撲秋場所は、大関貴景勝が優勝決定戦で前頭15枚目の熱海富士を下し、全休明けの場所を4場所ぶり4度目の優勝でカド番脱出を果たしました。千秋楽の結びと優勝決定戦を裁いたのは、出雲市出身で高田川部屋所属の立行司、第41代式守伊之助(本名;今岡英樹)さんで、威風堂々の立ち回りや呼び上げ、勝ち名乗りの発声は超一流とされ、相撲文字の揮ごうや絵画にも高い評価があります。伊之助さんは、少年時代に大関前の山にあこがれ、弟子入りを志望したものの体格が規定に達しないため行司となり、1975年5月場所で初土俵を踏み、2012年1月場所に11代式守勘太夫を襲名、2013年4月にに三役格に昇進し、2018年12月に立行司の第41代式守伊之助を襲名して、現在に至っています。大相撲の行司は、審判規則で「行司が審判に際しては、規定の装束(直垂、烏帽子)を着用し、軍配を使用する。」とされており、行司の格は軍配の房と直垂の菊綴の色で示され、立行司の木村庄之助は『紫』、式守伊之助は『紫白』、三役格『朱』、幕内格『紅白』、十両『緑白』、幕下以下『緑または黒』と決められています。伊之助さんの軍配には出雲市の市章である『出』のロゴマーク、装束も主として『出雲』の文字やロゴマークの刺繡が施されたものを着用されています。隠岐の海関の引退でTVの相撲中継から「島根県隠岐郡隠岐の島町」とのアナウンスは聞かれなくなりましたが、毎日の取り組みの結び2番で無言の郷土愛が画面に映し出される様は『感謝』で、6年9月までの在任中に最高位への昇進を願っています。