アメリカ・オレゴン州のユージーンで7月16日に開幕した第18回世界陸上競技選手権大会(世界陸上2022オレゴン)は、初日の男子20キロ競歩決勝で前回大会に続いて山西利和選手(愛知製鋼)が1時間19分7秒で優勝(2連覇)して金メダル、池田向希選手(旭化成)が東京オリンピックに続いて2位の銀メダルを獲得するワンツーフィニッシュで始まり、男子100mでは、サニブラウン・ハキーム選手(タンブルウィードTC)と坂井隆一郎選手(大阪ガス)、女子1500mで田中希美選手、男子走り幅跳びで橋岡優輝選手(富士通)がそろって予選を突破するなど、「歴史が変わる風が吹く」予感がありましたが、2日目に早々と快挙が実現しました。男子100m準決勝1組でサニブラウン選手が10秒05の3着となり、タイム順の上位2人に入って世界選手権では日本勢として初めて、世界大会では1932年のロサンゼルスオリンピックの吉岡隆徳さん(島根県出身)以来、90年ぶりとなる決勝に進み、陸上100mの「ファイナリスト」の仲間入りを果たしました。決勝は米国勢が上位を独占し、9秒86でフレッド・カーリーが1着、9秒88のマービン・ブレーシーが2着、同タイムのトレーボン・ブロメルが3着となり、サニブラウン選手は10秒06で7着でした。反面、昨年の東京オリンピックで入賞を果たした男子3000m障害の三浦龍司選手(順天堂大)と田中希美選手はいずれも1秒未満の僅かなタイム差で決勝進出を逸し、予選をトップ通過した男子走幅跳びで橋岡優輝選手が上位8名に残れなかったことは少し残念でした。ただ、今大会には女子のやり投げや男子のリレーなどの有望種目があり、ハキーム選手を含めて、20代前半の若きアスリートのパリオリンピックに向けた活躍に期待が集まります。。