7月8日午前11時30ごろ、奈良市で街頭演説中だった安倍晋三元首相が銃撃され、心肺停止となって奈良県立医科大付属病院に救急搬送されたものの、午後5時3分に死亡が確認されたとのニュースは日本中を震撼させました。容疑者はその場で現行犯逮捕されましたが、要人警護の警察官の目前で至近距離から複数の発砲が実行された事実は、小生も選挙や党務などで要人をエスコートする機会を経験しているだけに信じられない事態です。現代日本で民主主義の象徴である選挙の期間中に政治家が暗殺されるなど、まさに『想定外』の衝撃的な事態です。容疑者は元自衛官で、手製の銃で狙撃したと供述したとのことで、いずれ事件の背景や動機については、今後の捜査で明らかにされると思いますが、過去にも大口病院の点滴殺人や津久井やまゆり園の大量殺人など信じ難い事件が発生し、TVや新聞では連日のように殺人や悪質詐欺などの事件報道がされていることを考えると、一般人が容易に犯罪の構成者となる事態が日常になっている社会の病理に『懼れ』を感じます。安倍元首相の事件は「私たちの『いのち』は先人から預かったもので、後世にきちんと伝える役割があること」や「『いのち』はもろくて、壊れやすいこと」、「壊れた『いのち』は2度と元には戻らないこと」などを刷り込む倫理教育の重要性を改めて示しているように感じます。