7月5日、島根県と松江市は7月4日の検査で過去最多となる755人の新型コロナの新規感染を発表しました。保健所管内ごとの感染者数は、松江226人、出雲410人、県央47人、雲南19人、浜田35人、益田12人、隠岐5人となっていますが、人口10万人当たりの新規感染者数は全国でも突出しており、丸山知事は、感染力の強い『BA5』による第7波という認識を示し、県民に感染対策の徹底を呼び掛けるとともに、対策本部会議で7月7日から全県での飲食店の利用制限を指示しました。感染の急拡大により、保健所による「疫学調査」「入院勧告または療養勧告や就業制限、および消毒命令」「健康観察」、濃厚接触者となった場合の「PCR検査」や「待機の要請」および「健康観察」、自宅療養者への支援物資の送付などの行政対応は限界に達しており、健康相談コールセンターの電話はパンクし、感染者や濃厚接触者への連絡にかなりの時間を要するなど、保健行政の現場は極めて厳しい状況を迎えています。出雲市の飯塚俊之市長は「出雲市は緊急事態」と述べ、市民に感染予防の徹底と迅速なワクチン接種、不要不急の外出自粛を呼びかけるとともに保育園や小中学校の休園、休業についての理解を求めましたが、感染が家庭に持ち込まれ、ワクチン未接種の幼児や若年世代から保育園や学校を経て市中にという「感染の連環」が続いており、限界を超えた保健所業務を代行できるしくみが用意されていない現状では、飲食店の利用制限よりも家庭内での感染を予防するための検査キットの配布や地域と時間を区切った一斉休業の選択などが必要だと思います。