連休明けから島根県浜田市沖約130kmの日本海でINPEXと石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が商業化に向けた天然ガスと石油の試掘を行っていると報じられています。日本の近海では天然ガスの主成分であるメタンと水とが結合し結晶化した「メタンハイドレート」と呼ばれる資源の存在が確認されており、愛知県の渥美半島などで海洋産出試験が実施されてきましたが、商業化の技術確立には至っておらず、政府はさきの「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」で民間企業が主導する商業化に向けたプロジェクトを支援するとしました。今回の調査は、INPEXとJOGMECの共同企業体が330億円をかけて商業化できる埋蔵量があるかどうか確認するもので、順調に進めば、2032年頃の生産開始を目指して砂層型メタンハイドレートの商業化に向けた生産技術を開発し、年間100万tを超える天然ガスの供給する計画と聞いています。天然ガスは原油高とロシアのウクライナ侵攻によって価格の高騰が続いており、エネルギー自給率向上は、わが国の生存に欠かせない要素であるだけに、米国のシェール革命に続く技術開発に大きな期待が集まるのは当然です。しかし、ここにきて、韓国の調査船が隠岐諸島や竹島周辺のEEZ内で海洋調査を実施していると報道されています。日本政府は、事前の同意申請を受けていないとして、外交ルートを通じて強く抗議したとありますが、南シナ海での中国同様に、「ホガホガしていると、吸い取られる」事態が想定されるだけに、毅然とした対応を求めたいものです。