5月3日は「憲法記念日」。日本国憲法は、GHQによる日本の民主的変革の基本原理を定める基本方針に則り、1946年11月3日に公布され、1947年5月3日に施行されました。憲法は法治国家の最高法規であり、「国のかたちを示すもの」と言っても良いと思いますが、施行から75年を経過してなお「不可侵のものとして」1言1句が全く改正されず、社会情勢や国際情勢に対応できず、時々の内閣が『解釈改憲』で乗り切ってきたことは周知のとおりです。阪神淡路大震災や東日本大震災などの大災害や新型インフルエンザや新型コロナなどのウイルス感染、中国の軍事力増強や北朝鮮の核武装などを目の当たりにして「このままで良いのか」という声は日増しに大きくなってきていますが、本年2月のロシアによるウクライナ侵攻によってさらに高まったように感じており、世論調査の数字に押されて国会でも憲法審査会の議論が緒に就いたことは歓迎すべきことだと思います。自民党は『自衛隊の明記』『緊急事態条項の追加』『都道府県や市町村の役割および衆参両院議員の選出規定』『教育の機会均等』の4つを国会での改憲議論のテーブルに上げる方針を示していますが、さきに開催した島根県連主催の改憲対話研修会では、参加者から「憲法の前文に『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』とあるが、中東紛争やロシアのウクライナ侵攻、中国や北朝鮮のありようを前にしても、国会議員はその理念を継続するのか」という鋭い指摘がありました。国会で成人年齢の20歳から18歳への引き下げが難なく決まり、本年4月1日から完全施行となりましたが、1日に5万人もの人がウイルスに感染する事態に至っても『移動の禁止』が法制化できないという不合理を感じる今年の憲法記念日です。