大阪や京都で新型コロナウイルスの「オミクロン株」の市中感染が判明したと報道されました。感染力が極めて強い変異株は、欧米ではワクチン接種を終えた人の感染が急増しているとのことで、年末年始にかけて急速な感染拡大が懸念される状況となっています。岸田首相は市中感染の拡大を抑制するため、大阪や京都、沖縄などの地域で公費による検査の実施を開始する方針を示し、厚労省は米国のメルク社が開発したコロナ治療薬の「モルヌピラビル」を特例承認し、国内での販売・使用を許可する見込みとされています。新型コロナウイルスの流行が始まって間もなく2年になりますが、今もってワクチンや治療薬が欧米で開発されたものを特例承認して莫大な対価を支払って使用する一方で、国内で開発された医薬品が特例承認の規定がないとして承認されないことに『国難という意識の欠如』を感じざるを得ません。海外では治療薬としてイベルメクチンやアビガンが臨床使用され、塩野義製薬も経口治療薬を開発し、すでに製造に着手したと報道されています。この治療薬は感染初期に1日1回、5日続けて服用することで体内のウイルスの量を低下させて重症化を防ぎオミクロン株の増殖を抑えることができるとしていますが、臨床データが規定数に届かないとして、早期承認の声は聞こえてきません。ちなみに、米国で治験承認された世界初のアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」は厚労省の専門部会で国内での製造販売は認められず審議継続となりました。日本の医薬品行政は『羹に懲りてなますを吹く』とばかりで、国富を流失させ続ける状況にストップをかける『特例承認』のプレゼントがほしいクリスマスイブです。