島根県議会の農林水産商工委員会(田中明美委員長)は「若者にとって魅力のある産業のありかた-島根県で働く若者を増やすための方策」を委員会の調査テーマに掲げていますが、県内で若者の雇用を確保し、人材育成に取り組む秀逸事例について11月11,12日の両日、現地調査を実施しました。調査先は松江市東本町の島根電工㈱(荒木恭司代表取締役)と松江市古曾志町のカンドーファーム㈱(田尻一輝代表取締役)、益田市虫追町のサン電子工業㈱益田工場(礒垣匡樹代表取締役)、津和野町役場農林課(益井仁志課長)の4か所で、島根電工では「社員とその家族を幸せにする経営方針」、カンドーファームでは「J-GAPの取得による人材育成」、サン電子工業では「女性が働きやすい職場づくり」、津和野町役場では「つわの百姓塾による新規就農者の支援」などについて説明を受け、意見交換しました。島根電工は5年間の新規採用数が令和4年4月の見込みを含めて170名(うち高卒96名)で、離職者数は7名(5%)にとどまっており、B・B(big・brather)と呼ばれる先輩社員の新規採用者に対する個別の職務支援と3年間で50日間の職員研修が有効に機能しているとのことでした。つわの百姓塾は益田市、津和野町、吉賀町在住の認定農業者をリーダーに年に3~4回の新規就農者との意見交換を行い、農業者のネットワークづくりによってU・Iターンの農業従事者の定着に大きな効果を発揮しており、サン電子工業の礒垣社長は県内高校生の採用が困難になりつつあり、地元の中高生のインターシップや定期的に企業情報を紹介する広報誌の送付を行っているとのことでした。カンドーファームは増加する遊休農地の耕作依頼に応えるためには、オペレータとなる人材確保が不可欠で、今後の事業展開の課題と認識しているとのことでした。「仕事があるのに人出が足りない」とする県内企業への人材確保、とりわけ若年採用には、給与面で大都市圏に大きく劣る格差を解消する企業努力はもとより大切ですが、小学校から高校・大学までの学生、生徒に県内事業所の企業紹介を強化する必要性を感じました。