10月19日、第49回衆議院議員総選挙と最高裁判所裁判官国民審査が公示された刹那、北朝鮮は日本海に向けてミサイルを発射しました。北朝鮮国防科学院は新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験と発表したようですが、国政選挙や自民党の総裁選挙の日程に合わせたかのようにミサイル発射を続ける北朝鮮のミサイル技術が急速に進化し、予知や迎撃が困難になる恐れがあるとの論評には、政府や国防関係者の緊張が高まるところです。加えて、10月20日には、熊本県にある阿蘇山の中岳第一火口で噴火が発生し、気象庁は阿蘇山に火口周辺警報(噴火警戒レベル3)を発令しました。報道によると、噴煙は火口から3500mに達し、火砕流が火口の西側1kmに流れ出たとのことですが、登山や観光客に被害は確認されていないものの、5年ぶりの噴火を『自民苦戦』と絡めた選挙の予測報道に目が移るのは悲しい性です。コロナ禍での総選挙は、すべての政党が何らかの『現金給付』を選挙公約に掲げ、一連のコロナ対策に費やす財源捻出に言及しない奇妙な戦いになっています。コロナの克服に相応の財政出動を行うことにはもとより異議はありませんが、「予算の原資は国民の負担で賄う」と言う大原則からすれば、『何かをやめる(我慢する』か『困っている人のために能力に応じた負担を求める』という姿勢を示すことが責任ある立場である政権を担う政治家の矜持だと思います。『自民苦戦』は、国債発行に慣れ切った放漫財政を許容してきた国政の無責任に対する有権者(納税者)からの警鐘で、財務次官の直言を『個人的なもの』として封殺する官邸・与党への抗議と受け取るべきだと思います。