8月4日、東京オリンピックの陸上競技女子1500m準決勝で豊田自動織機TCの田中希実選手(同志社大学3年)が5位となり、8月6日の決勝レースへのキップを自力でつかみ取りました。予選で自らが持つ日本記録を塗り替え、準決勝では日本人で初めて『4分の壁』を破る3分59秒19を記録しました。ちなみに、令和3年度の島根県高校総体男子1500mの優勝記録は3分59秒66(女子は4分45秒67)ですから、この記録がいかに凄いかがわかると思います。オリンピックの2レースで自己記録を5秒以上も短縮した田中選手の潜在能力の高さは驚くばかりで、バルセロナオリンピックの水泳競技女子200m平泳ぎで優勝した岩崎恭子さんを彷彿させ、決勝で「ひょっとすると」の期待を抱かせます。自己記録を大幅に短縮させた点では、陸上男子3000m障害の三浦龍司選手(順天堂大学2年;浜田市出身)も同様ですが、(凄まじい努力を重ねている)競技者には、ある日・ある時に訪れる『瞬間』をモノにすると、一気に壁を打ち破って『新しいステージ』に到達することがあります。『瞬間』が何時訪れるのかは全く不明で、オリンピックで『その瞬間』を迎えた選手の神がかり的な進化が「勝ちに不思議な勝ちあり」と言わしめるのかもしれませんが、初出場の面々の活躍が日本選手団の勢いにつながっていることは疑う余地のないところです。