日本文芸社の『週刊漫画ゴラク』に連載されている『江戸前の旬』(九十九森原作でさとう輝劇画)は、,連載1000回を超える人気漫画です。毎回、寿司ダネとなる食材の故事来歴や魚介類に関する蘊蓄をはじめ日本の食文化に関わる様々な事柄が主人公と家族や弟子、贔屓の馴染み客などとのやり取りで紹介されますが、今週号(4月23日発売の5月7日号)で、脂の乗りが悪いとされる春先のマアジ、とりわけクロアジの中で、例外的に島根県浜田港で水揚げされる『どんちっちアジ』だけが脂の乗りが別格と紹介されました。作中、その理由を浜田沖の日本海には、魚のえさとなる『カラヌス』と呼ばれる動物性プランクトンが豊富で、この付近を回遊するアジの脂質が通常の2~5倍とされており、脂質が10%を超えるものだけを『どんちっちアジ』として選別、ブランド出荷されていると解説され、握りダネとしてはもちろん、巻物となる海苔との相性も抜群と絶賛されています。過去にも小学館の『ビッグコミックスピリッツ』に連載された『美味しんぼ』(雁屋哲原作で花咲アキラ劇画)で、宍道湖のヤマトシジミなどが紹介されましたが、コロナ禍にあって、島根県産食材に対する『日本一』の評価は元気が出るとても嬉しい話題の提供です。ただ、浜田漁港の巻き網船団1ヵ統の休漁が続いているのは少し心配な事柄ではあります。