出雲市と松江市の市長選挙が終わりました。いずれも自民党が推薦した新人候補が他の候補に大差をつけて当選しましたが、結果は、住民が目先の行政課題に対する「イエス」「ノー」よりも権力の行使者としての準備・履歴を優先させたと見ています。ところで、島根県ではこの半年間で東部4市(松江市、出雲市、雲南市、安来市)の首長がすべて交代しました。安来市議会議長から市長となった田中武夫さんを除いて、松江市長に当選した上定昭仁さんは48才、雲南市の石飛厚志さんは54才、出雲市の飯塚俊之さんは55才で、宍道湖・中海圏域でも昨年7月に境港市長に当選した伊達憲太郎さんは61才、米子市長に再選された伊木隆司さんは47才で、大幅な若返り(平均68.6才→55.8才)や新旧交代は、社会がデジタル化やSDGsに向かう大きな変わり目にあることと無関係ではないように感じます。ただ、新型コロナウイルス感染症の流行は大都市の脆さを際立たせている半面、リモートワークや在宅学習の奨励が必ずしも『地方回帰』の流れとなっていない現実があり、都市圏との交流減少が地方の衰弱を増大させていることを見ると当面の対策と危機管理、コロナ後を見据えた対策をきちんと準備する必要性があることは自明です。ともあれ、首長の皆さんには、日本海側で稀有の人口集積(約65万人)の圏域をフレッシュかつ斬新な発想で力強くけん引してくださることを期待しています。