「春霞」と思いきや3月30日は黄砂現象で、宍道湖の対岸が靄の中にあるような視界が極めて悪い1日でした。黄砂は中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠、黄土高原などの乾燥・半乾燥地域の土壌・鉱物粒子が砂塵嵐によって数千メートルの上空に巻き上げられ、偏西風に乗って日本に飛来し、大気中に浮遊あるいは降下する現象で、小生らの年代は、理科の授業で「春先から初夏にかけての自然現象」と習いました。黄砂は、高濃度の場合は航空機の飛行ができなくなったり洗濯物が屋外に干せなくなることがあります。直径4ミクロンの黄砂は石英や長石などの造岩鉱物や雲母、カオリナイト、緑泥石などの粘土鉱物が主成分とされてきましたが、近年はアンモニウムイオンや硫酸イオン、硝酸イオンなどが検出され、2.5μm以下のPM2.5などの大気汚染物質を取り込んでいる可能性も示唆されており、注意が必要となりました。気象庁では、日本で広範囲にわたって濃い黄砂を観測した場合や予測される場合には、黄砂に関する情報を発表していますが、自然現象だと思っていた黄砂現象が、過放牧や森林破壊、農地転換など、人為的な土地の劣化や砂漠化によって拡大しているとすれば看過できない環境問題で、国連主導の『SDGs』の取り組みは待ったなしだと思います。