2月8日、出雲市立国富コミュニティセンターで、島根半島東部に生息するニホンジカの調査報告と令和3年度のシカ対策に関わる住民説明会が行われました。区画法によるシカの生息調査は、令和2年の10月13日から11月26日まで、島根半島の北山地域1,184haを6日間、湖北地域655haを4日間で行われ、北山地域で68頭(昨年は45頭)、湖北地域で6頭(8頭)が目視・確認されました。ライトセンサスでは7月の調査で北山14頭、湖北22頭、10月の調査で北山9頭、湖北10頭で、昨年と比較すると減少傾向を示していますが、駆除捕獲数は北山299頭(昨年は277頭)、湖北362頭(547頭)で、ベイズ法による解析では北山が703頭(3591339)、湖北が701頭(4211296)の生息推定数となり、生息状況に大きな変化は生じていないと報告されました。令和3年度のシカ対策については、引き続き、徹底駆除を基本に被害防止の資材配布の継続が示され、出席者からはイノシシやアナグマなどの出没も増加しているとの意見がありました。シカによる造林木の剥皮(角こすり)や農林産物の食害は、対策が本格化した平成13年度から20年を経過して大幅に減少しましたが、これは、行政任せの駆除体制が関係住民で編成する自衛班による通年捕獲に移行したことによるものです。今後は荒廃した山林の修復をはじめジビエの活用などによって野生鳥獣と共存できる森づくりにステージを上げる必要があり、この日の会合で、島根県と出雲市に対し、官民による検討会議の立ち上げを要望することが了承されました。